NECと米ユニシスは10月25日、大企業向け情報システムで包括提携を結んだことを正式に発表した。今回の提携で、NECは世界市場での販売強化、ユニシスは開発コストの削減を狙う。有力なグローバルの販売チャネルを持たないNECと四半期赤字が続き経営状態の悪化していた米ユニシスの利害が一致したことが、提携の直接のきっかけだったとみられる。

 今回の提携の目玉は、UNIXやLinux、Windowsなど複数のOSが稼働するインテル・ベースの次世代サーバーを、両社が共同開発すること。このサーバーは、米ユニシスのES7000/ClearPath、NECのi-PX9000/NX77000i/Express5800 の後継機となる。生産はNECが担当し、2007年にも出荷する予定だ。既存のメインフレーム・ユーザーのために、両社はメインフレームの生産を続けることも確約した。

 ミドルウエアは当面、両社がそれぞれ独自に開発してきたものを販売していくが、新たなミドルウエアを共同開発する計画もある。このほか、NECは生体認証などのセキュリティ技術や、IPネットワークを活用した通信技術を米ユニシスに提供。サーバーから端末までの総合的なサービスを米ユニシスが顧客に提案できるようにする。一方、米ユニシスは世界市場でのサービス基盤をNECに提供する。北米や中国など日本以外でのNEC製品の運用保守などを請け負うことで、NECの世界進出を支援する。

 今回の提携に当たっては、NECと米ユニシスの合計で100人を超す社員が、3カ月間にわたって協議してきたという。NECによる米ユニシスへの出資の可能性については発表では触れていない。なおこの提携については、明日午前11時からNECが日本で記者会見を開催する。