米IBMは10月24日(現地時間),医療と教育分野での相互運用性確保のために同社の持つ特許を開放すると発表した。医療と教育分野でのWebサービス,電子フォームとドキュメントの規格を開発するために無償で特許を利用できるようにする。

 「互換性のないドキュメントとプロプライエタリな技術の増加により,医療と教育分野での市場の成長とサービスの提供が妨げられている。カルテや教育コンテンツの検索や共有を困難なものにしている」(IBM)

 IBMが開放する特許には以下のようなものが含まれる。例えば米国特許番号6816907「System and method for providing differentiated services on the web, Mei, et al., November 9, 2004」は,救急治療を要求するWebサービスへのリクエストを,通常のリクエストよりも優先して受け付ける仕組みを実現するための技術を提供するという。

 また米国特許番号6782396「a method, program and system for aligning students and teachers according to dominant learning and teaching styles, Greene et al., August 24, 2004」は,学生と教師がそれぞれの学習と教育のスタイルに応じて結びつくシステムを実現するために役立つとしている。

 米IBMは2005年1月11日,同社が保有する500件の特許をオープンソース・ソフトウエアに対し無償開放(関連記事),「パテント・コモンズ(特許共有資産)」という概念を提唱している(関連記事)。今回の特許開放も,同じ枠組みに基づくという。