マイクロソフトは10月25日,ホスティング・サービス事業者5社と共同でWindows Server 2003を利用したホスティング・サービスを低価格で提供するキャンペーンを開始すると発表した。キャンペーンの名称は「スタート・マイ・ドメイン」で11月1日から2006年1月31日まで実施する。参加するホスティング・サービス事業者は,カゴヤ・ジャパン,コザック,GMOホスティング&セキュリティ,データ・ジャパン,ファーストサーバの5社。

 各社が提供するキャンペーンの内容は様々だが,(1)サイト作成ツールなどを無償で提供,(2)サービスの利用料を月額換算で1000円以下にする,(3)新規ドメイン取得料金が無料,などが共通する。

 (1)は,ASP.NETベースのコンテンツ管理システム「DotNetNuke」,ブログやフォト・ギャラリなどの機能を提供するWebアプリケーション「Community Server」,サイト作成ツール「SiteBuilder」などをエンドユーザーが無償で利用できるようにするもの。元々無償で配布されているDotNetNukeについては,日本語環境で正常に動作するようにマイクロソフトが修正を加えたものを各ホスティング・サービス事業者に提供するという。

 (2)は,初期費用や無料期間などを含めて1年間利用する際に必要な料金を12で割った金額が1000円以下になるようにする,というもの。サービスの料金や内容などは事業者ごとに異なり,キャンペーン後の月額料金が1000円を超えるサービスもある。このほか,各サービスともASP.NET 1.1/2.0,SQL Server 2000/2005などを標準で利用できるのも特徴の一つである。

 同キャンペーンを実施する理由として,マイクロソフトの鈴木協一郎 執行役兼デベロッパー&プラットフォーム統括本部長は「.NETの普及を促進するのが最大の目的」と明かす。ASP.NETの普及が米国に比べて遅れているのは,ASP.NETが稼働する安価なホスティング・サービスがないことが原因の一つ。同社によれば国内のWebサイトの86%がホスティング・サービスを利用している中,その多くはUnix/Linuxベースであり,ASP.NETは利用できないという事情がある。

 特に,同社がキャンペーンの実施を計画した時点で,月額1000円以下のWindowsベースのホスティング・サービスは1つもなかったという。ホスティング事業者として低価格な開発者向けサービス「パーソナルデベロッパーズプラットフォーム」を開始するファーストサーバの岡田良介 代表取締役は,「個人も含めて100万人以上と言われるWindows開発者に対して安価に.NETの開発環境を提供したい」としている。