長崎県は10月21日、同県の電子県庁システムのソースコードを公開した。対象は、「休暇システム」と「WEB職員録システム」、「文書保管システム」の3システム。

 同県がソースコードの公開に踏み切った目的は、県内の市や町が業務システムを開発する際のコスト削減。もともと長崎県は市町村にソースコードを公開することを念頭において、電子県庁システムを構築してきた。

 地域のIT産業の活性化という相乗効果も狙っている。県下のIT企業がシステム開発のベースとして、公開されたソースコードを利用できるからだ。電子自治体の構築では、ベンダーが提供する商用の業務パッケージ・ソフトを利用するケースが一般的。だが、パッケージ・ソフトを利用すると内部仕様がユーザーから見てブラックボックス化されるため、運用や保守などで特定ベンダーに依存しなければならなくなる、という問題があった。

 ソースコードの著作権は長崎県が保有する。ソースコードは、「改変時に、管理者にその内容を報告する」、「ソースコードを公開することなく汎用パッケージ製品を開発・販売することはできない」といった条件を持つ「GPLライセンス」の考え方に基づいて公開。ライセンス管理は、長崎県下のIT企業が組織する「オープンソースベンダーフォーラム長崎」が担当する。