ターボリナックス 代表取締役社長 矢野広一氏
ターボリナックス 代表取締役社長 矢野広一氏
[画像のクリックで拡大表示]
Turbolinux FUJI
Turbolinux FUJI
[画像のクリックで拡大表示]
ターボリナックス プロダクト・マーケティング マネジャ 久保和広氏
ターボリナックス プロダクト・マーケティング マネジャ 久保和広氏
[画像のクリックで拡大表示]
リナックス普及委員会会長 福下恵美氏(右)とターボリナックス 矢野広一氏(左)
リナックス普及委員会会長 福下恵美氏(右)とターボリナックス 矢野広一氏(左)
[画像のクリックで拡大表示]

 「Turbolinux FUJIで,Microsoftの馬鹿げた独占を止めたい」---ターボリナックスは2005年10月20日,Linuxディストリビューションの新版「Turbolinux FUJI」を発表した。発表会で同社 代表取締役社長 矢野広一氏は,OS市場での米Microsoft社による独占状態を痛烈に批判した。

 矢野社長は,同氏が85年に日本IBMに入社したころの標準的なパソコンと現在のパソコンを比較,「20年前と比べ,主記憶容量が4000倍,ハード・ディスク容量が4000倍,本体の価格は10分の1。価格対性能比は4万倍にもなった。にも関わらずユーザーはそのメリットを感じられない。MicrosoftがOS市場を独占しているためだ」とした。「競争が起こらない市場ではいいものは生まれない。ターボリナックスは,Linuxでビジネスの世界を変えていけると信じている」と熱く語った。

 「Turbolinux FUJI」は,2003年10月に登場した「Turbolinux 10 Desktop」の後継に当たる。最大の特徴は,フィリピンのSpecOps Labs社が開発した,Windowsソフトを動かせるミドルウエア「David」を搭載したこと。DavidはオープンソースのWindows APIエミュレータWineをベースにしたソフトウエア(関連記事)。標準でMicrosoft Office 2000/XPを動かせる。追加で提供予定のモジュールを購入することで,Adobe Photoshop,Lotus Notes,iTunesなども利用できるようになる見込み。「ソフトウエアだけでなく,表示に使われるフォントや名称なども,Linux特有のものからよりWindowsに近付けた」(技術本部プロダクト・マーケティングマネジャ 久保和広氏)

 「使い勝手も大きく向上させた」(久保氏)。Googleデスクトップのようなパソコン内の検索システム「Turboサーチ」や,デスクトップ環境を統括するKDEコントロールセンターと独自の設定ツールを1画面に使える新システムなどの新機能を備えた。起動時間も半減したという。パッケージ管理ツール「Turboプラス」では,アプリケーションの追加/削除から,デスクトップへのショートカット作成,セキュリティ・パッチのアップデート,商用ソフトのインストールを管理できる。

 パッケージは2種類あり,「Turbolinux FUJI」が1万6800円,「Turbolinux FUJI Basic」が5800円。フォントの数や,Davidやウイルス駆除ソフトの有無などが主な違い。出荷開始は2005年11月25日。