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 ウィルコムは2005年10月20日,手帳大の筐体に通話機能とPDA機能を盛り込んだPHS端末「W-ZERO3 WS003SH」を発表した。同年12月上旬に発売する。OSに米Microsoft社の「Windows Mobile 5.0 for Pocket PC」を採用。QWERTY配列のキーボードやIEEE 802.11b準拠の無線LAN機能を搭載し,「パソコンと携帯電話機の強みを併せ持つ」(ウィルコムの八剱洋一郎社長)のが特徴だ。開発はシャープが担当。価格はオープンだが,実売価格は5万円を切る見込みだ。

 PDAとしてW-ZERO3を見ると,他のWindows Mobile採用のPocket PCと同じである。パソコンのOutlookと同期できる「予定表」や「電子メール」などの各種PIMアプリケーションを搭載。Webブラウザはパソコン向けのWebサイトを閲覧可能な「Internet Explorer Mobile」,メディア・プレーヤはWMV形式の動画やWMA/MP3形式の音楽ファイルを再生できる「Windows Media Player 10 Mobile」,オフィス・スイートはMicrosoft Office互換の「Word/Excel/Powerpoint Mobile」。これらのアプリケーションを付属のスタイラス・ペンやキーボードで操作する。

 PHSとしての機能は,アンテナや通信機能を集積したメモリーカード大のモジュール「W-SIM」で実現する。W-ZERO3に同梱するW-SIMは,最大128kビット/秒のパケット通信や最大64kビット/秒のPIAFS通信に対応。インターネット・メールやウィルコムのPHS用メールサービス「ライトメール」を自動受信できる。

 その他の主な仕様は以下の通り。CPUに米Intel社のPXA 270(416MHz)を採用。主記憶は64Mバイト。ストレージとして128Mバイト(OSやプリインストール・アプリケーションを含む)のフラッシュ・メモリーを搭載。増設用にminiSDカード・スロットを備える。タッチパネル対応3.7型液晶パネルの解像度は640×480ドット。視野角は上下左右160度。WMV形式で動画撮影が可能なデジタルカメラ機能(有効画素数133万画素)も備える。外形寸法は幅70×長さ130×奥行き26mm(キーボード収納時)。重さは約220g。連続通話時間は約5時間。連続待受時間は約200時間。

 なおW-ZERO3の発売に合わせて,エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズの公衆無線LANサービス「ホットスポット」のローミング・サービス「ウィルコム無線LANオプション」の提供を開始する。まずW-ZERO3ユーザー限定で無料試験サービスを2006年5月末まで実施。同年6月以降に本サービスに移行する予定だ。料金はAIR-EDGE[PRO]コースのユーザーは無料,「AIR-EDGE」および「データ定額」のユーザーは月額700円,その他音声通話用プラン契約のユーザーには1600円(ホットスポットと同じ)で提供する。それぞれ初回利用時に登録料として別途1500円が必要になる。

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