経営コンサルタントの大前研一氏
経営コンサルタントの大前研一氏
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 本誌は19日に続いて20日「日経コミュニケーション20周年記念フォーラム」を開催。経営コンサルタントの大前研一氏が基調講演で,ブロードバンド・インターネットを前提にした経営改革の重要さを訴えた。

 大前氏は,Windows OSのバージョン1が登場した1985年を「すべてのデジタル革命の起点」と位置付け,この5年間で企業経営のあり方に大きく影響を与えていると指摘。その動きがフジテレビとライブドアの提携,TBSと楽天の経営統合に象徴されているとした。

 だが楽天やライブドアというインターネットの代表的な企業に対しても「ブロードバンド時代には,世界中のテレビやラジオのコンテンツがオン・デマンドで入手できるようになる。いまさらテレビにこだわるのはどうか。彼らでさえ,現代に即した経営モデルではないと思う」と斬った。

 その上で,今後成長が期待されるインターネット前提の経営モデルが重要だと指摘。例えばテレビ・コマーシャルを提供する代わりに,グーグルなどの検索サイトで上位に掲載されることで売り上げを伸ばしているベンチャー企業の戦略などを紹介。子供のころからインターネットに慣れ親しんだ若い世代がこうした新たな経営モデルを生み出しているとし,「ブロードバンド世代をどう生かすかが,今後の企業競争力に大きく影響する」と締めくくった。