音声認識ソフトを開発・販売しているアドバンスト・メディアは10月19日、電話を使った声紋認証のASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)サービスを開始した。携帯電話や固定電話をそのまま使えるため、認証用装置を新たに導入しなくても生体認証を実現できる。

 声紋認証は、声の周波数や強度などを基に本人かどうかを確認する。アドバンスト・メディアが声紋を登録・管理や認証を実行するサーバーを管理し、ユーザー企業のシステムとはインターネットや専用線で結ぶ。

 ユーザーは事前に約3秒間、名前や地名などの定型句(パスフレーズ)を読み上げた音声情報を認証サーバーに登録しておく。システムへのログインなどユーザー認証が必要な場合は、ユーザーは認証用の電話番号に電話をかけ、パスフレーズを発話する。

 声紋認証は同社が開発した認証システム「AmiVoice MobileVerification」を使う。その認証精度は「他人受け入れ率が0.5%以下、本人拒否率が5%以下」(アドバンスト・メディア)と、指紋認証など他の生体認証に比べると落ちる。精度を高めるには、電話のトーン信号で暗証番号を送る、携帯電話の個体識別番号を使うといった認証と組み合わせる。「パスワードだけでは、正規の利用者かどうかまでは特定できない。声紋認証を使えば、既存の電話機を使って“成りすまし”まで防げる」(同)。

 サービス料金は1社当たり500万円から。来年度末までに25社への導入を見込んでいる。すでに1社(BBモバイル)への導入が決まっているという。