米Microsoftは10月17日(現地時間),Windows Vistaの新しい試作版(10月CTP版でビルド5231)をベータ・テスターとMSDN会員などに向けて提供した。ベータ1とベータ2の間に位置付けられるもので,CTPはCommunity Technical Previewの略。本物のベータ版に比べると完成度は低いが注目できる機能が入っている。「Windows Media Playerの新版(WMP 11)」「モビリティ・センター(Mobility Center)」や「ネットワーク・センター(Network Center)」「Internet Explorer(IE) 7のアップグレード」などである。

 Microsoftによると,CTPプログラムは「Windows Vistaに対する早期の確実なフィードバックを得るために設計されている。10月CTP版は技術者の方々に同製品を目に見え,体験できるようにし続けるために提供しており,できるだけ広く配布するようにしていく」という。

 この10月CTP版では,インフラ管理機能,モバイル機能などがお目見えするとともに,完成版の一部になると思われるユーザー・インターフェースが登場している。例えば,WMP 11のメディア・ライブラリはグラフィックス付きでアルバムのように整理できる。これまでは文字が並んだ程度のものだったが大きく変化した。Media Centerは,素早く動く画像,それにビデオや写真スライド・ショーがオーバーレイしたユーザー・インターフェースになっている。

 新しく備わったモビリティ・センターは,ノートPCやタブレットPCユーザー向けの多数のツールを使うための入り口のようなものだ。ボリューム・コントローラは大胆に再設計されており,アプリケーションやサービス別に出力レベルを調整できる。これを使うと,WMP 11では音を出すが,残りのアプリケーションはミュートにするなどが可能だ。

 ビルド5231では,ネットワーク機能も大きく改良された。ネットワーク・スタックは書き直されており,ユーザー・インターフェースが置き換わっている。ネットワーク・センターは,システムの全ネットワーク機能を構成できるオールインワンの設定ツールだ。新しく「コンピュータとデバイス(Computers and Devices)」というツールも備わった。これを使うと,ネットワークに接続した他のPCや機器にアクセスできる。

 Internet Explorerは,広範囲に手が加えられた。「ActiveXオプトイン」「プロテクト・モード(Protected Mode)」「パレンタル・コントロール」「Web feed付きお気に入りセンター」「クイック・タブ(Quick Tab)」「タブ・グループ(Tab Groups)」「複数ページにわたる印刷プレビュー」などが備わる。