2010年度に稼動予定の国策スーパー・コンピュータ「京速計算機システム」を、理化学研究所(理研)が開発することが事実上決まった。10月11日、文部科学省の情報科学技術委員会 計算科学技術推進ワーキンググループで、約20人の委員が投票を実施。同18日にその結果がまとまり、理研が最高点を獲得したことが分かった。

 開発主体として立候補していた研究機関は、理研と、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、日本原子力研究開発機構(JAEA)、物質・材料研究機構(NIMS)の5つ。理研は、スパコンの開発実績や、300億円以上の大型プロジェクトの実施実績など、6つの評価指標でいずれも1位を獲得した。

 今回の結果を受け、同ワーキンググループは10月24日に「京速計算機システムの開発主体に関する提言書」をまとめる予定。文部科学省は、これを受けて年内に理研への開発委託を正式決定する。

 京速計算機システムは、「地球シミュレータ」の250倍超の処理速度を持つスーパー・コンピュータ。文部科学省はその開発に5年間で約1000億円を投じる計画である。