ノキアが発表した新端末(上から時計回りにE60,E61,E70)
ノキアが発表した新端末(上から時計回りにE60,E61,E70)
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 フィンランドのノキアは英国・米国時間の10月12日,企業向け携帯電話3機種を2006年第1四半期に発売すると発表した。スタンダード・モデルの「E60」,文字入力用キーボードを備えた「E61」,きょう体を開くと文字入力用のフルサイズのキーボードが現れる「E70」の3機種(写真)。いずれもシンビアンOSの「Series 60 3rd Edition」を搭載したスマートフォンで,様々なアプリケーションやメール・サービスを利用できる。W-CDMAとGSMの両方に対応し,無線LANも使える。

 3機種ともIP電話を利用可能で,米アバイアや米シスコシステムズのIP-PBXと連携することで,無線LAN経由の内線通話端末として使える。PTT(push to talk)もサポート。端末を紛失した際の情報漏えい対策機能も装備する。例えば,端末内に残っているデータをリモート経由で初期化できる。この機能は,携帯電話向けアプリケーションの標準化団体「OMA(open mobile alliance)」が標準化した携帯電話のリモート管理仕様「OMA DM」に準拠している。

 ノキアはこの3機種を世界市場に向けて発売する予定で,価格は350~450ユーロ程度(1ユーロは約137円)となる見込み。日本での発売予定についてノキア・ジャパン広報部は「日本の第3世代携帯電話(3G)でも使えるため,詳細は未定だが日本市場に投入したい」とコメントした。一方,日本でW-CDMAを使った3Gサービスを提供する携帯電話事業者は,「(今回発表された3機種を発売するかは)決まっていない」(NTTドコモ),「現時点で話せる情報はなく未定」(ボーダフォン)としている。

(山崎 洋一,堀越 功=日経コミュニケーション