左から,パワードコムの中根滋代表取締役社長兼CEO,KDDIの小野寺正代表取締役社長,東京電力の勝俣恒久取締役
左から,パワードコムの中根滋代表取締役社長兼CEO,KDDIの小野寺正代表取締役社長,東京電力の勝俣恒久取締役
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 KDDIと東京電力は10月13日,通信事業における包括提携を正式発表した。東電子会社のパワードコムを株式交換でKDDIが吸収合併したうえで,FTTH(fiber to the home)事業の統合サービスで提携することを基本合意した。

 会見にはKDDIの小野寺正社長,東京電力の勝俣恒久社長,パワードコムの中根滋社長が顔をそろえた(写真)。まず小野寺社長が提携に関して概要を説明。「早期にNTTグループに対抗しうる企業グループを形成する」と意欲を述べた。

 KDDIのパワードコム吸収合併は,2006年1月1日付けで行う。KDDIとパワードコムの合併比率は1対0.0320。株式交換により東電のKDDI株の持ち分比率は4.81%となり,第3位の株主となる。KDDIとの合併にあたり,パワードコムからは執行役員が1人就任する予定。東電からもKDDIに取締役1人を派遣する。パワードコム子会社のフュージョン・コミュニケーションズ,ドリーム・トレイン・インターネットなどは,合併期日までに東電かその他の企業への譲渡を予定しているという。

 FTTH事業に関しては,年内にKDDIと東電の光ファイバ網を統合する。サービスも両社が組み合わせて共同展開する予定。サービス展開のための東電の設備投資に,KDDIが一部資金を負担することも検討している。さらに,東電がFTTH事業部門を分離してKDDIと事業統合することや,合弁による事業運営についても検討を始めるとしている。

(宗像 誠之=日経コミュニケーション