Linuxディストリビュータのミラクル・リナックスは10月6日、カーネル2.6を採用したLinuxの新版「MIRACLE LINUX V4.0-Asianux Inside」を11月7日から出荷すると発表した。プロセサ数と搭載メモリーを制限した、中小企業向けの低価格版「MIRACLE LINUX One V4.0-Asianux Inside」も同時に発表し、12月12日から出荷を開始する。

 MIRACLE LINUX V4.0-Asianux Insideは、ミラクル・リナックスと韓国のハーンソフト、中国のレッドフラッグ・ソフトウエアが共同開発した「Asianux2.0」のコンポーネントを中心に、日本企業向けにカスタマイズした。従来の製品に比べて、RSA(信頼性、可用性、保守性)を強化している。例えば、今年9月にOSDL(Open Source Development Labs) が定めた高信頼性Linuxの標準仕様「CGL2.0.2」に正式準拠。さらにカーネルのイベント・トレーサであるLKST(Linux Kernel State Tracer)を搭載している。このほか、Linuxカーネルのクラッシュ・ダンプ機能としては、ディスク・ダンプやネット・ダンプも搭載する。

 対応するハードも拡充した。インテルのデュアルコア・プロセサや64ビット版Xeon、Itanium2、AMDのAthlon、Opteron各プロセサに対応。このほかにも、日本IBMのPOWER5プロセサを搭載したLinuxサーバー「eServer OpenPowerシリーズ」や、日本ストラタスの「ftServerシリーズ」といったハードに対応した。

 価格はMIRACLE LINUX V4.0-Asianux Insideが6万3000円、MIRACLE LINUX One V4.0-Asianux Insideが3万7800円。MIRACLE LINUX One V4.0-Asianux Insideは、搭載できるプロセサは一つ、メモリーは4Gバイトまでの制限付き。二つのコアを持つデュアルコア・プロセサはシングルコア・プロセサと同様のライセンスとする。