マイクロソフトは10月4日,10月12日公開予定の「悪意のあるソフトウエアの削除ツール」の新版で,「Antinny」ウイルスに対応することを明らかにした。Antinnyとはファイル交換ソフト「Winny」で感染を広げるウイルス。同ツールはダウンロードセンターやMicrosoft Updateなどから利用できる。
Antinnyへの対応は,同社のイベント「Security Summit 2005 Fall」の席上,米Microsoft Security Technology UnitのCorporate Vice PresidentであるMichael Nash氏により発表された。同氏はMicrosoftのセキュリティ最高責任者の一人。「マイクロソフト製品以外の特定のアプリケーションだけが影響を受けるマルウエア(malware:悪質なソフトウエア,ウイルス)に対応するのは今回が初めて」(Nash氏)
Antinnyが最初に出現したのは2003年8月。以降,さまざまな変種が出現している。2004年3月にはパソコン中のファイルなどを勝手にアップロードする出現した(関連記事)。同様の変種は現在でも大きな被害をもたらしている。特定のサイトへDoS(サービス妨害)攻撃を仕掛ける変種も出現している(関連記事)。
10月12日公開予定の新版を実行すれば,Antinnyの変種を検出してメモリーやハードディスクから削除する。ただし,「悪意のあるソフトウエアの削除ツール」が検出/駆除できるのはパソコン上で動作している場合だけ。動作していない場合(ハードディスクに保存されているだけの場合)には検出/駆除できない。