「2006年早々にも携帯事業を始めたい」とするJ-COMの森泉知行社長
「2006年早々にも携帯事業を始めたい」とするJ-COMの森泉知行社長
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 CATV統括会社のジュピターテレコム(J-COM)は,2006年早々にも携帯電話事業に参入する意思があることを明らかにした。同社の森泉知行社長(写真)は,「2006年早々にも携帯事業を始めたい」と明言。「いかに早く市場に参入するかが重要」(森泉社長)とし,自社で携帯電話のインフラを保有するのではなく,既存の携帯電話やPHSの事業者からサービス・ネットワークの一部を借りて提供するMVNO(mobile virtual network operator)や卸売り方式での参入を目指す。

 現在,携帯電話事業者と話し合いを進めている最中で「今年中に(MVNOや卸売り元の事業者を)決める」(森泉社長)としている。提携する事業者について森泉社長は,「3番目か4番目の事業者,あるいは両方かもしれない」と発言。特定の事業者の名前は明らかにしなかったものの,各事業者の契約数の順位を考慮するとボーダフォンおよびウィルコムの可能性が高い。

 同社の携帯電話事業参入の目的は,まずは同社の既存契約者の利便性を高めること。固定電話サービス「J:COM PHONE」と合わせた通話割引や,契約者の家族間通話割引などを検討しているという。また転送設定などを使った「“疑似ワンナンバー”的なサービスも考えられる」(加藤徹取締役・事業開発統括部長)としている。

 端末は,同社ブランドでの提供を考えているが,端末調達には「ある一定量の注文を出すことが必要」(森泉社長)。そのためにはユーザーの早期獲得が不可欠となる。現在,J:COM PHONEのユーザーは約80万加入。今後100万加入にまで伸ばした上で,そのうちの10%を携帯電話のユーザーとして初年度に獲得したいとしている。

(大谷 晃司=日経コミュニケーション