写真1●AKI 黒板 Ex
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写真2●iPenGraph
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 経済産業省などが20歳以下を対象に実施した「U-20プログラミング・コンテスト」((関連記事)の表彰式が,10月3日「情報化月間 記念特別行事で開催され,個人部門の最優秀賞に選ばれた黒板シミュレータ「AKI 黒板 Ex」,団体部門の最優秀賞に選ばれた関数グラフ描画iアプリ「iPenGraph」などがインターネットでも公開された。

 AKI 黒板 Exは,神奈川県立多摩高等学校普通科2年 秋山博紀氏が開発。マウスで操作で,チョークで書いたような線が描ける黒板シミュレータ。描いている際に,チョークから粉が落ちる,チョークがぶつかる音が出る,黒板消しで拭いた跡がうっすらと白くなる,など,黒板をリアルに再現した。秋山氏のサイトで10月3日公開された。「今後はネットワーク対応や,チョークを横に使って塗りつぶす機能なども実現したい」(秋山氏)

 「iPenGraph」は,沖縄県立球陽高等学校理数科3年石田智也氏,赤嶺一樹氏,比嘉慎吾氏ら「偏差値部」が作成した,高校の数学で学習するグラフの形を携帯電話で描画するiアプリである。メモリーが制限されるというiアプリの制約を満たすため,工夫を重ねプログラムのサイズ30Kバイトにおさえた。またiアプリ用のJavaには小数点演算がないため,固定小数点演算ライブラリを実装するなどの「いくつもの課題を乗り越えた」(偏差値部)。iPenGraphは偏差値部のホームページで公開されている。

 また個人部門の優秀賞に選ばれた,函館ラ・サール高等学校2年の矢萩寛人氏が作成した「ソーシャルネットワークシステム LiFre L1」も,近く運用テストを開始する予定という。LiFreのサイトでユーザー登録の受付を始めている。

 「U-20プログラミング・コンテスト」は,経済産業省財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC),情報化月間推進会議が主催しているコンテスト。一昨年まで「全国高校生・専門学校生プログラミング・コンテスト」として実施してきたが,昨年から「U-20プログラミング・コンテスト」として20歳以下を対象とするコンテストに衣替えした。今年度から,入選作品に対しフリー・ソフトウエアまたはオープンソース・ソフトウエアとして公開することを奨励している。