情報処理技術者試験委員の国士舘大学 情報科学センター杉野隆教授
情報処理技術者試験委員の国士舘大学 情報科学センター杉野隆教授
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 2006年4月から実施される『テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験』(略称:TS)は,セキュリティ・システムを開発・支援する人が対象。既存の『情報セキュリティアドミニストレータ試験』(略称:SS)との違いは,モノづくりの視点を含んでいるかどうか。例えば,TSではセキュア・プログラミングの能力を問う」---。国士舘大学 情報科学センターの教授であり,情報処理技術者試験委員である杉野隆氏は10月3日,情報処理推進機構(IPA)の「情報化月間記念特別行事」において,新試験制度を説明した。

 TSは,開発者を対象とした新試験。情報セキュリティ・システムの開発に必要な専門知識および技能を問う。出題範囲は「コンピュータ・システム」「システムの開発と運用」「ネットワーク技術」「データベース技術」「セキュリティと標準化」。このうち,「ネットワーク技術」と「セキュリティと標準化」は重点分野であり,なおかつ出題される問題のレベルも高いという。

 情報セキュリティに関する試験としては,2001年秋からSSが年1回実施されている。情報処理技術者試験は,各種テクニカルエンジニア試験などの「情報システム開発・運用側」の試験と,上級/初級システムアドミニストレータ試験のような「情報システム利用者側」の試験に大別できる。SSは情報システム利用者側に位置づけられるものだったが,「当初は開発・運用側にセキュリティに関する試験がなかったため,SSは両者の真ん中に位置づけられていた。今後はTSが実施されるため,『SSは利用者,TSは開発者』と,位置づけを明確にできる」(杉野氏)。

 試験は「選択式」「記述式」「論述式(事例解析)」の3種類。試験時間は選択式が55問で100分,記述式が4問中3問選択で90分,論述式が2問中1問選択で120分。試験日は2006年4月16日,申込期間は2006年1月中旬から1カ月程度。受験料は5100円。「情報処理技術者試験センター」のページなどから申し込める。IPAではサンプル問題(PDFファイル)を公開している。

◎参考資料
新試験区分『テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験』創設