平成電電は10月3日午前,東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請した。1200億円の負債を抱え,10月3日以降の資金繰りができなくなったとする。民事再生手続によって「サービスの停止を回避して継続。事業の再生を図る」(平成電電)としている。

 平成電電は2001年に固定電話の電話会社を選択する「マイライン」に参入。2003年7月から自社回線を利用する直収電話サービス「CHOKKA」を投入し,NTTよりも安価な電話サービスを売りにしていた。

 ところが,2004年から2005年にかけて日本テレコムやKDDIが直収電話に参入。マイラインを含めた電話サービスの顧客獲得競争が激化し,ユーザー数が計画に達しなかった。このほかの理由として,「CHOKKAの事業のために多額の設備投資を実施したが,(ユーザーが平成電電に乗り換えるための)NTTの回線切り替え手続きが極めて煩雑だった」とのコメントも出している。

 平成電電は今夕に記者会見を開いて詳細を説明する。

(市嶋 洋平=日経コミュニケーション