シマンテックは9月28日,Windows用バックアップ・ソフトの新製品「Symantec Backup Exec 10d for Windows Servers」を発表した。特徴は,ファイル・サーバーのバックアップにレプリケーション機能(Continuous Protection機能)を追加したこと。最新の状態を常時バックアップできるため,いつでも最新のデータを復元できる。

 バックアップ対象のファイルは変更があったとき,即座にバックアップ・サーバーにレプリケーションされる。一度バックアップしたファイルは,変更があった差分ブロックだけが転送される。変更履歴は複数世代にわたって保存する。Backup Exec 10d本体の価格は13万8600円。レプリケーションしたいサーバーごとに購入する「Continuous Protection Agent」の価格は5万1450円。いずれも10月24日に出荷する。

 同様な仕組みを実現するには,これまでサーバー用レプリケーション・ソフトを利用する必要があり,価格は30万~50万円程度だ。また,これらのレプリケーション・ソフトは,レプリケーション元とレプリケーション先の双方に対するライセンスを購入する必要があり,最低でも60万~100万円の費用が必要であった。それに対してBackup Exec 10dのレプリケーション機能は,同ソフトの標準機能であり,エージェント・ソフトの価格も5万1450円と安いので,レプリケーションを低コストで実現できる。

 シマンテックはまた,ディスク・イメージ・ベースのバックアップ・ソフトの新製品「Symantec LiveState Recovery Suite 6.0」も発表した。価格は31万2900円。同社が買収した米Power Questの「V2i Protector」をベースにした製品で,Windowsの稼働中にボリューム全体を高速にバックアップできる。また一度バックアップをした後は,差分ブロックだけをバックアップする「差分バックアップ」にも対応している。

 新バージョンでは,バックアップしたディスク・イメージをハードウエア構成の異なるマシンや「VMware」で構築した仮想マシンにリストアできる「Restore Anyware Option」という機能を追加した。イメージ・バックアップは,同一ハードウエア構成のマシンにリストアするのが原則だが,Restore Anyware Optionを使うとハードウエア構成の違いを吸収する形で,リストアが可能になるとしている。

 Symantec LiveState Recovery Suite 6.0は,9月末に出荷を開始する。また同製品は,日本ではシマンテックに加えてネットジャパンも販売元となっている。