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ニュース

MSのオールチン氏が当初のLonghornをあきらめたのは2004年春

Paul Thurrott 2005/09/28 ITpro

 米The Wall Street Journal紙の報道によれば,米Microsoftのグループ・バイス・プレジデントでWindowsの開発を統括しているJim Allchin氏がBill Gates会長のオフィスを訪れ,次世代クライアントOSであるWindows Vista(開発コード名:Longhorn)の開発が恐ろしく遅れ,取り返しがつかない状況になっているのを報告したのは,2004年7月のことだという。同紙によれば,Allchin氏は「It's not going to work(もううまくいかない)」と語ったとされる。Longhornはあまりに複雑であり,Microsoftの時代遅れのソフトウエア開発手法では手に負えなくなっていたことが問題であった。

 実際のところ,Microsoftが当時の計画をあきらめてWindows Vistaを一から作り直すことを決定したのは昨年のどの時点なのだろうか——。筆者はこれまで何度も,Microsoftや同社のPR代理店に対して,真相を知る人物に取材させてくれと頼んでいるのだが,いまだに取材は実現していない。しかし私は,「the reset」と呼ぶ内部情報ソースから,真相を非公式に聞き出した。

 The Wall Street Journal紙の記事とは異なり,「the reset」によればAllchin氏がLonghornの開発遅れを認めたのは,2004年7月よりも何カ月も前のことであったという。Microsoftが「リセットする前」のLonghorn評価版を社外の開発者に対して配った最後の機会は,2004年4月に開催した「Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC) 2004」であった。しかしその時点でMicrosoftの重役は,開発状況が制御不能になっており,開発を初めからやり直して,既に開発したコードのほとんどを廃棄する必要があることを知っていたのだ。

 The Wall Street Journal紙は,Gates会長が当初,Allchin氏が提示したWindows Vistaをリセットする計画に反対していたとする。Gates会長が反対したため,Windows Vistaをリセットするのは数カ月遅れ,結果としてWindows Vistaのリリース日も遅らせることになった。Gates会長は「誰もが不安に思っている。しかし私は,みんなに対して“あきらめるな。投げ出すな”と訴えなければならない」と語ったという。しかし遅すぎた。Allchin氏はGates会長に対して「もう船は沈んでしまった」と語ったとされる。

 Microsoftはこれまで,新しいWindows OSを数年おきにリリースしていた。しかし,Windows Vistaの新機能として並んでいた数々の機能は,Microsoftにとって非常に重荷であったようだ。当初,Windows Vistaのリリースは2003年になる予定だったが,その日付はしばしば変更され,現時点では2006年になると思われている。MicrosoftがWindows Vistaの最初の評価版をリリースしたのは,もう2年も前だ。この遅れは,ソフトウエア業界においては10億年にも相当するようなものであった。Microsoftがもたもたしている間に,ライバルは非常に強くなった。Googleは既にWebを支配しているし,オープン・ソースのLinuxシステムは,サーバー分野の有力な競合相手になった。Apple ComputerのMac OS Xは,依然としてデスクトップWindowsパソコンの脅威にはなっていないが,iPodとiTunesの過去に類を見ない成功によって,Appleはコンシューマ・エレクトロニクス分野とデジタル音楽市場を支配している。

 Windows Vistaの遅れは,Microsoftにとってどの程度のダメージになったであろうか。これまで,Windowsの開発において最も責任のある地位にあったAllchin氏は,Windows Vistaの出荷とともにリタイアすることになった。またMicrosoftの全社組織は,競合相手に対抗し得る形に改められることになった。Windows Vistaの大きな遅れは,Microsoftの「遅さ」と「弱さ」を白日の下にさらした。また消費者は,Microsoftが全能ではないと思うようになっている。なぜなら,Windows Vistaの最も重要な機能であるデータベース・ストレージ・エンジンWinFS(これは同社が10年来取り組み続けている機能だ)は,スケジュール上の理由から取り除かれてしまったからだ。

 問題のほとんどは,Microsoftの企業文化に起因しており,最近行った組織変更だけでは,問題を修正できないだろう。Microsoftは,あまりに巨大になり,階層が複雑になり過ぎてしまったため,新しいマーケットのトレンドに迅速に対応できなくなってしまった。Windows Vistaでは「OS戦争」を,こちらから仕掛けていくのではなくて,防衛的に戦わざるを得なくなるだろう。Mac OS Xのユーザーは,Windows Vistaのいくつかの新機能について,既に何年も前からMac OS X上で使っていると思うことであろう。Microsoftは,イノベータと思われることを熱望しているので,このシチュエーションは受け入れがたいものであるだろう。

 現在のところ,Windows Vistaは順調に進んでいる。最新のベータ版は,Windows XPに非常によく似ており,新しい機能や見た目の大きな変化は当初の計画と比べてほとんどない。しかし,12月に登場する「ベータ2」になれば,予定されている様々な顧客指向の機能が,追加される見込みだ。Microsoftはこれまでベータ版で,人々を全くワクワクさせられなかった。やらなければならないことはたくさん残っている。Windows Vistaの出荷時期を優先させたことが,正しい第一歩であったことは間違いないだろう。

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