「半年以内にシンクライアントを普及するために二つの施策をうって、日本におけるシンクライアント市場のシェア50%を狙う」——。シンクライアント端末の販売台数で世界有数のシェアをほこる米ワイズ・テクノロジーのジョン・キシュ社長兼CEO(最高経営責任者)は意気込む。同社は9月に日本法人を設立。販売や技術サポートを強化し、日本国内のシンクライアント端末市場に本格的に参入する。

 一つは、既存のパソコンにインストールすればハードディスクなどにアクセスできなくなりシンクライアント端末となるソフトウエアを販売する。もう一つは、既存のパソコンにUSBキーやPCカードを差し込むと、USBキーなどに格納した専用OSが立ち上がり、シンクライアント端末として稼働する製品の販売である。

 両製品ともにシンクライアント端末化したあとは、同社が開発した「Blazer OS」で稼働する。新たに端末を買わずに安価にシンクライアントの利用環境を構築できるので、「まだ導入していない中小企業に向く」(キシュ社長)という。

 同様のソフトとして、OSにLinuxを使いUSBキーで端末をシンクライアント化する製品が、NTTコムウェアや米ノベルなどから販売されている。しかし、キシュ社長は「当社のBlazer OSは起動速度や価格面で他社に負けない強みがある」と自信を見せる。