NILFSの仕組み(NTTの資料より引用)
NILFSの仕組み(NTTの資料より引用)
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 NTTは9月26日,任意の時点のデータを復元できるLinux用ファイル・システム「NILFS(ニルフス)」をオープンソース・ソフトウエアとして公開した。NILFSは,ファイル・システムのスナップショットを,自動で連続して取得できるファイル・システム。「システムが異常停止しても,すぐに停止直前の状態に戻して再開できるため,Linuxシステムの信頼性が大幅に向上する」(NTT)という。

 NTTは,Linux推進団体OSDL(Open Source Development Lab)が2005年2月に発表した要求定義仕様「Data Canter Linux 1.1」に,「高信頼ファイルシステム」の機能要件を提案し,採択された。この提案は,NTT研究所が中心となって行った。NTTではこの技術仕様を実現するため,またオペレーションのコストを削減するため「NILFS」を開発した。

 NILFSは,記録済みデータを上書きせず,データの追加や変更分をディスク上の空き領域にエラー訂正データとともに記録する。そのため「データが破壊される確率が格段に低く,また,書き込み性能が高いためデータベース・サーバーへのログの出力のようなファイルの保存に最適」(NTT)としている。また,ディスクのスペースが許す限り過去のデータを保存し,任意の時点でのデータを復元できる。

 またファイル・システムの管理にB-Treeを採用しているため,サイズの大きなファイルや,多数のファイルの処理効率が高いとしている。また,特別なハードウエアが必要ないため,サーバーだけでなく,デスクトップLinuxでも利用できるという。

 NILFSは,Linuxカーネルが採用しているGeneral Public License(GPL)で公開されている。NILFSプロジェクトのホームページなどから入手できる。