トレンドマイクロは9月20日、企業やISP(インターネット接続事業者)向けのスパム・メール遮断サービス「Trend Micro Network Reputation Services」を発表した。10月31日にサービスの提供を開始する。

 このサービスは、トレンドマイクロが管理するスパム・メール発信元のIPアドレスを集めたデータベースを利用して、企業やISPのメール・サーバーがスパム・メールを受信する前に遮断するもの。専用のソフトウエアやハードウエアは不要で、自社のメール・サーバーに設定を追加するだけでサービスを利用できる。同社が今年6月に買収した米ケルケア(Kelkea)の技術を使っている。

 トレンドマイクロによれば、スパム・メールは企業が受け取るメールの90%を占めているという。「コンテンツ・フィルタリングのような、メール配信サーバーでスパム・メールを遮断する方法では、処理の負荷がかかりすぎてサーバーのCPUリソースやネットワークの帯域がいくらあっても足りない。我々が提供する形のサービスが必要になるはずだ」と、元ケルケアのCEO(最高経営責任者)でトレンドマイクロのチーフ・テクノロジストを務めるデイブ・ランド氏は話す。

 Network Reputation Servicesには、「RBL+Service」と「Network Anti-Spam Service」の2種類がある。前者は、トレンドマイクロの専門調査スタッフが検証したスパム・メール発信元のデータベースを利用する。このデータベースには16億件の発信元情報が登録されており(9月15日時点)、1日10回程度更新している。後者は前者で使う専門スタッフが管理する発信元データベースと、5分ごとに自動的に更新される発信元データベースを併用する。

 年間サービス料金は、RBL+Serviceが50アカウント分で3万5000円、Network Anti-Spam Serviceが同6万5000円。