テクマトリックスは,米Parasoftが開発したWebアプリケーションのテスト・ツール「WebKing」を日本語化し,9月20日に出荷を開始した。Webアプリケーションのテストに必要とされる「静的解析」「機能テスト/回帰テスト」「負荷テスト」の三つ機能を統合したのが特徴。

 静的解析機能は,HTML(Hypertext Markup Language),XML(Extensible Markup Language),JavaScriptなどクライアントで解釈,実行されるコードを検証する。ローカル・ファイルのほか,Webサーバー経由で取得したコードも検証できるため,動的にWebページを生成するアプリケーションにも対応する。パフォーマンス,アクセシビリティ,セキュリティなどの問題点を指摘する解析ルールをあらかじめ約500個内蔵するほか,解析ルールを追加/変更するツール「RuleWizard」を搭載し,自由にカスタマイズできる。

 機能テスト/回帰テスト機能は,Webアプリケーションに対する一連の操作を自動実行し様々な入力データに対する動作や画面遷移を検証する。本製品からブラウザを起動して,検証したい手順通りにアクセスすると,その手順を自動的に実行する検証用スクリプトを生成する。ログイン・フォームなど,実行するたびに与えるデータを差し替えて繰り返し実行したい場合には,CSV(カンマ区切りテキスト)形式のファイルなどからデータをインポートできる。

 負荷テスト機能は,検証用スクリプトを実行する「仮想ユーザー」を多数生成して,アプリケーションのボトルネックや限界値を測定する。仮想ユーザーは複数のスクリプトを任意の頻度で実行できるため,より現実の環境に近い負荷テストを実施できる。仮想ユーザーをネットワーク上の複数のマシンに分散させることもできる。

 価格は,静的解析,機能テスト,負荷テスト(100仮想ユーザー)が可能な「WebKing Server Edition Ver. 5.0」が189万円(税込),負荷テスト機能を省いた「WebKing Professional Edition Ver. 5.0」が47万400円(税込)。負荷テストの仮想ユーザー数の追加ライセンスも提供する。また,これら三つのテスト機能に加え,SQLインジェクション,クロスサイト・スクリプティングなど代表的な脆弱性をチェックするセキュリティ・テスト機能もオプションで用意する。今後,本製品を利用したテスト・サービスやコンサルティング・サービスも展開する。