NTT(持ち株会社)は,グループ内の固定電話サービスと携帯電話サービスの料金を一括で合算請求する「統合請求サービス」をまもなく開始したい考えである。同社の和田紀夫社長は2005年9月15日の会見で,「統合請求に対するユーザーからの強い要望を以前から受けており,できるだけ早期に実現していく」とサービス導入の意志を改めて表明した。NTTグループは2004年11月に「中期経営戦略」を公表して以来,グループ企業間の連携を強化しつつある。今回の統合請求サービスもその一つに位置付けられる。

 NTTグループでは,1台の無線LAN対応携帯電話機を企業内ではブロードバンド(高速大容量)回線などを経由するIP電話機として使い,外出時には携帯電話機として使えるサービスを既に提供している。このような固定通信と移動通信の融合(FMC)サービスが登場したことで,料金の支払いも一括で済ませたいというニーズが高まっている。だが,NTTグループが提供している現在のFMCサービスでは,IP電話の通話料金はNTT東西地域会社やNTTコミュニケーションズに支払い,携帯電話の料金はNTTドコモに支払うという形をとっている。これを,どちらか一方の事業会社に一括で支払えるようにして,FMCサービスの利便性を高める狙いである(詳細は日経ニューメディア2005年9月19日号に掲載)。