米現地時間の9月12日に,米イーベイに電撃的に買収されることが決まったIP電話ソフト「Skype」を提供するルクセンブルクのスカイプ・テクノロジーズ。イーベイのオークション・サイトへの統合や法人向けサービス展開の縮小など様々な噂が流れる中,「今後の事業展開はこれまでと変わらない」とスカイプ関係者が証言した。

 イーベイの発表によると,スカイプは買収後も独立子会社として事業を継続する。イーベイは,子会社として存続するスカイプの技術を自社のオークション・サービスに取り込む形になる見込み。逆に,スカイプはイーベイ子会社のペイパルが持つ決済機能をSkypeOutなどの付加サービスに活用していく方針だ。

 今後も無償のIP電話ソフト「Skype」の提供は継続し,スカイプの技術開発体制が大幅に変わることはないという。「SkypeのAPI(application programming interface)開発も続いている」(関係者)。

 日本国内でも,Skypeと連携するソフトやハード・メーカーに,これまでと体制は何ら変わらないと説明しているという。

 さらに,イーベイのメグ・ウィットマンCEO(最高経営責任者)は投資家向けの会見で,日本市場について「急増しているSkypeユーザーを基盤に今後事業体制を構築していきたい」とコメント。一度は撤退した日本市場への再参入をにおわせた。