和田紀夫NTT社長
和田紀夫NTT社長
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 NTT持ち株会社は9月15日,社長会見を開催した。この席上で和田紀夫社長はKDDIと東京電力との提携交渉について記者の質問に回答。「具体的には分からないが」,と前置きした上で「シナジー効果を目指した合従連合が出てきているが,惑わされずに中期経営戦略を進めていく」と余裕を見せた。

 中期経営戦略とは昨年11月に発表したビジョンで,「2010年に光を3000万回線」,「ソリューションやノン・トラフィックの売り上げを2010年に5000億円増」,「メタルの固定電話網から光のIP電話への移行計画を2010年までに示す」などの目標を掲げている。

 ただし,光ファイバの扱いについては「どういう形にしろ電力の光ファイバがKDDIとの随意契約となる“いいとこ取り”ならば,前提条件が変わってくる。出方を見たい」とけん制。他社への一律条件での開放を義務付けられた東西NTT地域会社の光ファイバ開放について従来から主張している,「ドミナント規制はやめてほしい」との考えを強調した。また,個別には「KDDIは事業エリアが全国で,東京電力,パワードコムのそれは関東。どういう関係になっていくのか」として,提携成立後の形を気にしていた。

 中期経営戦略自体については「現在のところ実現できるものは実現しているが,次世代ネットワーク(NGN)については構築の設計図を相当練らないと」と明かした。これらの詳しい進捗状況は,11月の中間期決算の際に説明するという。

 なお,NTTグループ内のインターネット接続事業の統合や連携の構想については,「具体的に申し上げるに至っていない」(和田社長)とした。