シンクライアント大手のワイズテクノロジー(東京都千代田区、河田英典社長)は9月13日、日本市場での営業戦略を発表した。米ワイズテクノロジーは1981年に設立。欧米のシンクライアント市場ではトップシェアを誇るが、日本法人は8月10日に設立したばかりだ。

 日本のシンクライアント市場は、欧米市場に比べて立ち上がりが遅れている。米ワイズのジョン・キッシュ社長兼CEO(最高経営責任者)は、「セキュリティ意識が向上した現在が、日本市場を開拓するチャンス。日本のシンクライアント市場は今後3年、年率100%で増えていく」と、日本での営業体制の整備を急ぐ。

 キッシュ社長は「日本市場を攻めるためには、パートナーの協力が欠かせない」と強調。すでに兼松、ネクストネット(東京都千代田区、後藤卓雄社長)、ネットワールド(東京都千代田区、中村康彦社長)などの販売パートナーと提携している。さらに、OEMパートナーとしてミントウェーブ(東京都千代田区、中澤伸矢社長)が名を連ねるほか、数社との提携交渉が進んでいるという。

 ワイズは今後も新たなパートナーを開拓するほか、通信事業者との提携を最重要事項と捕らえている。シンクライアントにはネットワークが不可欠なため、「シンクライアントを組み合わせたサービスを検討している通信事業者が多い」(河田社長)からだ。河田社長は、かつてシスコシステムズで通信事業者への営業を統括した経歴を持つため、その手腕と人脈を買われたようだ。

 当面の販売目標は、市場価格換算で15億~17億円で、早急に国内シェアの50%を確保するという。「国内でのライバルは、日立製作所と日本ヒューレット・パッカード。他にも競合はいるが、商談で最終的に残るのは当社と2社が多い」(河田社長)。

 同社は、シンクライアント機器「Wyse Wintermシリーズ」や、数万台のシンクライアントを管理するソフト「Wyse Rapport」などを販売する。機器の価格は独自OSを使ったWyse Winterm 1125SEが4万円弱、Windows CE版の同 S30が4~5万円、Windows XP embeded版が約5万円となっている。

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