ソフトバンクはグループで展開するADSLサービス「Yahoo! BB」の開通回線数の開示方法を変更することを明らかにした。

 従来,同社は毎月上旬に前月末のYahoo! BBとIP電話サービス「BBフォン」の開通回線数および利用可能な局舎数を公表してきた。ところが現時点で2005年8月のデータを公表していない。従来どおりであれば9月10日ころに公開される見通しだった。「総務省のブロードバンド・サービス契約数が月次から四半期に変わっていることを踏まえ,同業他社との競争上から今後の開示方法を検討している」(広報室)という。

 Yahoo! BBは2003年11月に単月増加数が25万2000となり最高を記録。2005年に入ってからは,単月でおよそ2万~4万回線程度となっていた。なお「8月に単月増加数が純減になったわけではない」(広報室)という。7月の単月増加数は4万3000。総数で493万2000だった。

 Yahoo! BBの開通回線数を巡ってはソフトバンクの孫正義社長が5月の決算発表で「おとくラインとYahoo! BBを合わせて2005年9月に650万回線」と公言していた。しかしこれを8月の決算発表の際に「こだわりはないし,650万には力点を置かない。それよりも利益を上げることに優先順位を移す」として方針を変更した。これらのサービスの顧客獲得費用を抑えることで,黒字体質を確保するのが狙いとみられる。この9月5日,同社が総務省に新規参入を申請した携帯電話の審査過程では,事業者の財務状況も考慮される。