ウィルコムは9月8日,現行のPHSよりも高速なデータ通信を可能にする「次世代システム」の開発に向け,総務省に無線基地局の実験免許を申請したと発表した。実験免許の取得は2005年12月になる見込み。免許を取得後,約1年かけて次世代システム実用化に向けた実験を実施する。

 ウィルコムの次世代システムは,「データ通信を実効速度で現行の数倍に引き上げる」(ウィルコム幹部)計画。今回の実験では,次世代システムの中核技術の一つとして位置づけているOFDM(orthogonal frequency division multiplexing)技術を中心に伝送性能などを評価する。

 実験は,ウィルコムの本社がある東京・虎ノ門地域に基地局を設置して実施する。実験で利用する周波数帯は,「特に希望している周波数帯はなく,総務省から割り当てられた周波数で実施する」(ウィルコム広報宣伝部)と言う。

 ウィルコムは,総務省が第3世代(3G)携帯電話サービス向けとして新たに開放する2GHz帯に次世代システムの導入を希望している。総務省は9月30日まで免許の申請を受け付けているが,「免許申請をするか検討中」(ウィルコム広報宣伝部)としている。