写真1 ウイルスバスター2006を発表するトレンドマイクロの大三川彰彦日本代表
写真1 ウイルスバスター2006を発表するトレンドマイクロの大三川彰彦日本代表
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写真2 フィッシング目的のサイトと判別されたサイトにアクセスしようとしたところ
写真2 フィッシング目的のサイトと判別されたサイトにアクセスしようとしたところ
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写真3 Hostsファイルによるアドレス変換が行われているサイトにアクセスしようとしたところ
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 トレンドマイクロは9月8日,個人向けウイルス対策ソフトの最新版,「ウイルスバスター2006 インターネット セキュリティ」を発表した(写真1)。11月2日に出荷を開始する。特徴はフィッシングによる詐欺やスパイウエアなどのセキュリティ防御機能を搭載したこと。

 特に力を入れたのがフィッシング対策だ。具体的には,(1)フィッシング用のサイトへのアクセスを誘うメールをブロックする,(2)データベースやURLの表示状態をチェックすることで,フィッシング用サイトへのWebアクセスをブロックする(写真2),(3)現在アクセスしているサイトのフィッシング脅威度を評価し表示する,(4)Hostsファイルを書き換えて,不正サイトへ誘導する“ファーミング”を防止する,といった機能を追加した。

 このうち(4)のファーミングはURLとIPアドレスの関係を記述したHostsファイルの内容を不正に書き換えることで,ユーザーが正しいURLにアクセスしても不正なサイトに接続してしまう手口。これを防ぐためウイルスバスターが常にHostsファイルの書き換えをチェックする機能を持たせた(写真3)。

 ウイルス対策機能ではウイルスバスターの起動後すぐに重要なパターン・ファイルの更新がないかチェック。必要であればアップデートするようにした。従来は起動3~4分後に更新のチェックをしていた。また,パターン・ファイルの更新中は他のトラフィックをしゃ断。短時間だが,新種のウイルスから無防備な状態を攻撃できないようにした。

 4月に発生したパターン・ファイル作成ミスによるパソコンの大規模障害の教訓も生かした。「パターン・ファイルの作成やチェック体制を大幅に強化したが,万一すりぬけた場合でも決してダウンさせないために機能を入れた」(山崎裕二製品開発本部製品企画担当ディレクター兼グローバルプロダクトマネージャー)。具体的には,パターン・ファイル更新後にパソコンの動作が停止したり不正終了した場合,再起動時に更新前の状態へと戻す機能を搭載した。

 このほかIPv6に対応。IPv6のネットワークに接続したパソコンでも,すべての機能が利用できる。なお,ウイルスバスター2006 インターネット セキュリティの対応OSはWindows98以降。価格は1ユーザーのパッケージ版が8925円,ダウンロード版は5250円。