ソフトイーサは9月7日,VPN(仮想閉域網)構築ソフト「SoftEther VPN 2.0」の最新ベータ版「同 Beta 4」を公開した。最大の特徴は,ソフトウエアでレイヤー3スイッチ機能を提供する「仮想レイヤー3スイッチ機能」を搭載したこと。これにより,端末の台数の制限問題が事実上撤廃。大規模な企業でも容易に使えるようになった。

 SoftEtherは,スイッチング・ハブの機能を仮想的にソフトウエアで実現したソフト。だが端末数が増えるにつれ,ブロードキャストの負荷が大きくなるという問題があり,接続できる端末の台数に制限が出てくる。Beta 4の仮想レイヤー3スイッチ機能はこの端末数の問題をクリアできる。例えば,拠点ごとに仮想ハブを作成し複数の仮想ハブ間をルーティングさせることで,大規模な企業の端末も収容できる。

 このほか,Beta 4ではセキュリティへの配慮もなされている。Beta 3では証明書認証に対応していたものの,証明書の秘密鍵をパソコン上にしか保存できなかった。Beta 4では,スマート・カードなどに保存できるようになったため,たとえパソコンを紛失するなどしても,秘密鍵を盗まれる危険が減った。

 また,IPアクセス制御リスト機能と呼ぶ,クライアントのIPアドレスによって接続を拒否(または許可)できるルールを定義する機能を搭載。パスワードや証明書をたとえ盗まれても,接続元のIPアドレスが異なれば接続させないようにすることができる。

 今回公開されたBeta 4は,Windowsプラットフォームのみに対応。Linux版,FreeBSD版,MacOS X版は,9月末に公開される予定となっている。