米Microsoftは9月1日(米国時間),同社が2007年に出荷を予定する次世代サーバーOS「Windows Longhorn Server」(開発コード名)におけるItaniumプロセッサへの対応に関する方針を発表した。

 「Windows Longhorn Server for Itanium」は,データベースや「SAP R3」などの基幹業務ソフトなどに特化するという。Windows Longhorn Serverは,Itaniumとは別系統の64ビット・プロセッサである「x64」にも対応するが,「汎用のx64,基幹業務に特化したItanium」といった具合に製品の棲み分けを図る考えだ。

 Microsoftはこれまでも「Longhorn ServerはItaniumに対応する」と説明していたが,今回改めてそれを強調した。Itaniumは,x64に押されている印象が強いが,マイクロソフトは「並列実効性能では,x64はItaniumに敵わない。スケールアップ用途にはItaniumが最適」(マイクロソフト)として,Itaniumを放棄しない姿勢を堅持している。

 もっとも,Windows Longhorn Server for Itaniumを「データベースと基幹業務専用」と銘打つことで,Longhorn Server for Itaniumのサポート範囲を限定するなどの対策がとられることもあり得る。マイクロソフトは「Longhorn Server for Itaniumは余計な部分をそぎ落として,システムを安定させることに特化する」(マイクロソフト)という方針だからだ。

 例えば,パッケージ・アプリケーションの動作保障をデータベース(Microsoft SQL Server,Oracle,DB2)と基幹業務アプリケーション(SAP,SAS,Siebel,i2,Manugistics)だけに限定することや,基幹業務用途で使用しない周辺機器をサポートしない,といった対策が取られる可能性がある。

【追記:2005年9月2日】

 マイクロソフトはItanium用Longhorn Serverにおいて,次のサーバー・サービスをサポートしないことを明らかにした。ファイル・サーバー,プリント・サーバー,ファクス・サーバー,Windows Media Services,Windows SharePoint Services——である。これらのサービスは,32ビット版またはx64版でのみサポートされる。