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 日本オラクルは9月7日から、データベース管理システムのマイナー・バージョンアップ版「Oracle Database 10g Release 2」を順次出荷する。約1年半ぶりとなる。

 新版の主な特徴は3つある。
 (1)クラスタリング・ソフト「Oracle Real Application Clusters Release 2」で負荷分散機能を改善した。ノード間で利用パターンが変更しているかどうかを調べ、利用パターンに応じた負荷分散に変更できるようにした。また、ソート処理の際、事前に全データを読み込む作業の負荷を削減し、性能を改善した。米オラクルと米ヒューレット・パッカードが7月に、新版で300Gバイトのデータウエア・ハウスのベンチマーク・テストを実施したところ、前版と比較して約27%性能改善していた。

 (2)運用管理面では、データーベースの運用管理ツール「Oracle Enterprise Manager 10g Release2」(画面)の自動化機能を強化する。データベースを使用するアプリケーションやソフトウエアの構成をGUI画面に表示し、どこで問題が発生しているかを分析する機能を追加する。例えば、データベース側で性能劣化が起きているかを調べ、自動的に問題個所を修正できるようになる。ただし、Oracle Enterprise Manager 10g Release2は今秋に出荷となる。

 (3)セキュリティでは、暗号化機能が使いやすくなった。これまでデータベースに格納するデータを暗号化する際、アプリケーション側に修正が必要だったが、その変更が不要となる「Transparent Data Encryption」機能が追加された。

 このほか、データベースに格納して、データベース側で処理を実行するプログラム(ストアド・プロシジャ)が.NET言語で開発できるようになった。これまでストアド・プロシジャは、専用の記述言語「PL/SQL」かJavaでしか開発できなかった。

 価格は、前版と同じ。Enterprise Editionの場合、プロセサ・ライセンスが1プロセサあたり525万円(税込み)、指名ユーザー・ライセンスが1ユーザーあたり10万5000円(1プロセサあたり最少25ユーザーから)。

 ただし、マルチコア・プロセサを搭載したサーバーに対するプロセサの数え方が9月12日から変更となる。そのため、マルチコア・プロセサ搭載のサーバーを利用する場合、12日以後に契約する方が安くなる可能性がある。日本オラクルのマルチコア・プロセサの数え方は次の通り。コア数に75%をかけた値をライセンス料金として計算するが、端数が出た場合は、切り上げる。ただし、Standard EditionとStandard Edition Oneに限り、2コアでもプロセサ数が1個の場合は、1プロセサと計算する。