中小IT企業をむしばむ多重下請け構造、二重派遣など法令無視の横行、若者の使い捨て・・・日本のIT業界に根付いた悪弊は数十年を経て、なお改善されたとは言いがたい。
業界は束の間の特需に沸き立つが、今もってIT企業の利益率は低いまま。2015年にやってくるIT受託業務の集中とその後の急減により、ユーザー企業を含めた業界全体が地盤沈下しかねない。
是正に向けた覚悟が問われる中、大手・中堅のIT企業は長時間勤務の改善や法令順守の強化、そして収益力の向上に乗り出している。だが、元請けを頂点にした多重下請けというピラミッド構造の末端にまで、その効力が及んでいるとは言いがたい。
序章ではまず、日本のシステム開発現場の今を描写する。
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