システム開発や運用の現場を担うITプロフェッショナルは、このところの景気回復の恩恵を受けているのか――。これを調べるため今年11月、ITプロフェッショナルを対象に大規模調査を実施した。回答した2300人の給与、残業時間、評価制度に対する満足度、転職意向などを報告する。

(目次 康男、田中 淳)

半数が給与と評価制度に不満
ITプロフェッショナルの平均像
SEの55.8%が転職希望
回答者の本音——自由意見から


【無料】サンプル版を差し上げます本記事は日経コンピュータ2005年12月26日号からの抜粋です。そのため図や表が一部割愛されていることをあらかじめご了承ください。本「特集」の全文をお読みいただける【無料】サンプル版を差し上げます。お申込みはこちらでお受けしています。なお本号のご購入はバックナンバーをご利用ください。

 12月2日、日経平均株価がほぼ5年ぶりに1万5000円台へと回復。その後も同水準を維持している。経団連(日本経済団体連合会)は来春の労使交渉で、賃上げなど労働条件の改善を促す方針を固めた。

表1●ITプロフェッショナルの職種、年齢別の平均収入
 IT業界にも明るい兆しが見えている。NEC、日立製作所、富士通の今年度中間期におけるソフト・サービス事業は、いずれも前年同期比で増収(日立と富士通は増益)を達成。日経マーケット・アクセスがユーザー企業4000社に実施した調査では、半数近くが「2005年度のシステム総投資額を昨年度より増やす」と回答した。

 システム開発や運用の現場を担うITプロフェッショナルは、こうした景気回復の恩恵を受けているのか。本誌は日経BPコンサルティングと協力して、今年11月に「労働実態・意識調査」を実施。給与の金額および給与に対する満足度、残業時間、残業代の支払い率、代休・有給取得率、評価制度および制度に対する満足度、モチベーション(やる気)の変化、転職に対する意識、将来のキャリアに対する意識など約40項目に関して質問し、2296人からの有効回答を得た。

 調査結果からは、景気が回復基調に転じたにもかかわらず、「仕事は増える一方なのに給与は上がらない」状況が依然として続くITプロの姿が浮かび上がる。平均年収は596万円(平均年齢は35.6歳)と決して低くはないが、約半数が給与の額に「不満」。残業は1カ月当たり平均48時間を超え、うち半分はサービス残業を強いられている。急速に浸透している成果・能力主義は必ずしも機能しておらず、ほぼ半数が「正当に評価されていない」と感じている。「昨年よりも仕事に対するモチベーション(やる気)が低下した」との回答は4割に達した。


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