Q2 プロジェクトマネジャーなのに忙しすぎてマネジメントができない

 プロジェクトマネジャーとして、複数のプロジェクトを担当しています。プロジェクトは小規模なものが多く、金額は数千万から1億円程度で、期間は半年~1年くらいです。プロジェクトメンバーは自分より若く、自分の右腕として頼りになる人はいません。終業時刻は午後9時以降でメンバーはいつも忙しくしています。このような状況でも定期的な週次の会議は開催していますが、いつの間にか、くしの歯が抜けるように欠席者が増え、集まりが悪くなります。

 メンバー教育の重要性は認識しており、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だけでなく、社内研修といったOff-JTも含めた教育を行おうと考えていますが、実際にはOff-JTによる教育はほとんど不可能です。OJTについては、実際は単にメンバーに仕事を任せるだけで、指導を行う人材も時間もありません。

 私が所属する企業は情報子会社であり、プロジェクトの発注者は親会社の場合がほとんどです。そのためか、要件がなかなか固まらず、プロジェクトの実施が決定するまでに、だらだらと時間が過ぎることが多いです。しかし、いったん決まると、納期の制約が大きく、さほど検討を行う時間もなく走り始めます。

 そのため、私のプロジェクトマネジャーとしての仕事は最低限で、大部分は1メンバーとしてシステム構築に携わるいわゆるプレイングマネジャーになっています。どうしたら、このような状況から脱出することができるでしょうか?

A1 プロジェクトの「終結」と「立ち上げ」のマネジメントで脱出のきっかけをつかむ

 小規模とはいえ、複数のプロジェクトを抱え、支援してくれる人も少なく、力のあるメンバーの割り当ても少ない中での焦りは理解できますが、状況を拝見すると、きつい言い方をするならば、忙しさに“流されて”いるように思われます。

 「忙しい」→「忙しいため、しっかりとしたプロジェクト計画を立案する暇がない」→「精緻なプロジェクト計画がないために、仕事に追われてしまう」→「いつしか、その忙しさに麻痺してしまう」といった悪循環に陥っていませんか。プロジェクトマネジメントが必要だとはいいながら、何となくプロジェクトが動いている状況に満足している様子が垣間見えます。プレイングマネジャーから脱却する努力が不足していないでしょうか?

 忙しさに流されずに、プロジェクトマネジメントのイニシアチブをとる覚悟を持ちましょう。きちんとプロジェクトマネジメントを行えば、メンバーの無用な負担が減り、自らもプロジェクトマネジメントに取り組む時間ができるといった好循環に入ることができます。