日経コンピュータ

 ITpro読者の皆さま、こんにちは。日経コンピュータ編集長の吉田琢也です。

 「ん?、ビル・ゲイツの予言って何だ?」。この記事のタイトルを見て、こう思われた読者もたくさんいるかもしれません。

 新CEO(最高経営責任者)の就任と同時に、米マイクロソフトの会長職から退いた同社創業者のビル・ゲイツ氏。そのゲイツ氏が今からちょうど10年前の2004年2月、ある技術に関して、こんな発言をしました。「自ら学習するマシンを生み出すことは、マイクロソフト10社分の価値がある」と。

 この予言はまさに的中しました。今、米グーグルや米アップルをはじめとする、代表的な先進IT企業は、コンピュータが膨大な量のデータから知識・ルールを自動的に獲得する「機械学習」の技術を使い、未来予測や異常検知、パターン認識などの分野で次々に革命的とも言えるイノベーションを起こしています。

 この動きは既にビジネスや一般社会へも波及し、大きな成果を上げ始めています。さらに、機械学習の技術によって、これまで専門家でしか不可能と思われていたことをコンピュータが自ら実行できるようになり、“プロフェッショナル”と呼ばれる人々の仕事の本質が問い直されようとしています。

 この1月に誌面を全面リニューアルしたエンタープライズICTの総合誌「日経コンピュータ」は、この機械学習というテクノロジーがビジネス・社会・人に与えるインパクトを、刷新号(1月9日号)の特集のテーマに選びました。タイトルは『「機械学習」革命 ~ 的中したビル・ゲイツの予言』です。

日経コンピュータとITproの編集部が一体化して情報発信

 100万人を超えるITpro会員の皆さまの中には、これまで日経コンピュータをご存知なかった方や、知ってはいるが手に取ったことのなかった方が多数いらっしゃると思います。実はこの1月から、日経コンピュータ編集部とITpro編集部は組織を一体化し、新・日経コンピュータ編集部として、紙(隔週誌「日経コンピュータ」)とデジタル(Webサイト「ITpro」)で情報を発信しています。

 2月の第1週には、「横浜銀行データ不正取得事件」と「米マイクロソフトの新CEO決定」という大きなニュースが立て続けに飛び込んできましたが、旧日経コンピュータと旧ITproの記者が即座にチームを組んで、ITproで次々にニュースをアップしました。さらに日経コンピュータ本誌での企画につなげるべく即座に検討を開始しました。

 こうした新たな編集体制と全面リニューアルで生まれ変わった日経コンピュータを、ITpro読者の皆さまにも、ぜひ手に取っていただきたいと思います。最新動向をITproで毎日チェックしつつ、その動向を深掘りした分析・解説記事を日経コンピュータでお読みいただければ、大きく変わりつつあるエンタープライズICTの世界がより深く理解できるようになるはずです。

 1月9日号の「機械学習」特集に続き、1月23日号と2月6日号では、それぞれ企業のIT部門とIT業界が抱える課題を真正面から取り上げ、特集『崖っぷちのIT部門 ~ 戦略組織への改革、ラストチャンス』および特集『悪弊を断つ ~ 「2015年問題」がIT業界に迫る覚悟』を掲載しました。

 間もなく発行となる2月20日号では、東日本大震災から3年を迎える中、企業の危機管理の在り方を改めて問う特集『「想定」が企業を滅ぼす ~ ポスト3.11の危機管理』を掲載予定です。ぜひご期待ください。

 最後になりましたが、日経コンピュータの新誌面、あるいは、この一文をご覧になった感想などを、ぜひ編集部にお寄せいただきたいと思います。またFacebookやTwitterなどのSNSでも、ご批判も含めた率直なメッセージを発信・拡散していただければ幸いです。

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