ITpro EXPOの売り物の一つが、展示会場内にあるオープン形式のシアターからお届けする各種の講演・対談・パネル討論だ。今年は例年以上に強力なラインアップとなった。

 最終日の10月11日は、これから先数年のITを考えるうえで必聴の内容に加え、ビッグデータの達人の生の声に触れることができるラインナップを構成した。

 調査会社IDC Japanのリサーチバイスプレジデントである中村智明氏は「3rdPlatformがもたらすIT市場のトランスフォーメーション」と題して、モビリティ、クラウド、ビッグデータ、ソーシャルがもたらす第三のプラットフォームがITの世界に何をもたらすかを解説する。

 さらにシリコンバレー在住の宮本和明氏は、現地の最先端技術の動向を報告してくれる。ITの将来そのものであるシリコンバレーがどこに向かっているかを確認できる。同氏によるITpro人気連載「宮本和明のシリコンバレー最新技術報告」のライブバージョンと位置づけてもいい。ファンの方は必聴だ。

 日経BP社専門媒体の編集長、名物記者による講演も未来を見通すヒントを与えてくれる。日経SYSTEMSの松山編集長は、基幹系システムとクラウドがどこに向かうかを解説。日経コミュニケーションの堀越記者は、「Firefox OS、Tizen、第3のモバイルOSの可能性」についての予測を明らかにする。凄まじい速度の進化と激烈な競争が続くスマホの将来像にヒントを与えてくれそうだ。日経パソコンの小向副編集長による、「日経パソコン『スマートフォン・タブレット満足度ランキング』解説」を併せて聞けば、スマホとタブレットがどうなっていくのか、さらに知識は深まるだろう。

 メインシアターの最後を締めくくるのは、ヤフーでデータ分析の責任者を務める執行役員事業戦略統括本部統括本部長の安宅和人氏だ。ヤフーは、年間75億種類という膨大な検索キーワードの傾向を分析し、内閣府が毎月算出する景気動向一致指数、今年7月の参議院選挙における当落をほぼ的中させた。ビッグデータからいかにして“正解”を導き出すのか、その神髄の一端が分かるはずだ。

 日経BP社の専門媒体の編集部が積極的にかかわってテーマを決めるメインシアターでの各種企画は、他の展示会ではお目にかかれないものだ。今年も面白い企画が目白押しとなっている。ぜひご来場いただきたい。

【メインシアター3日目】

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図●メインシアター3日目のタイムスケジュール
図●メインシアター3日目のタイムスケジュール