最終回 断れない提案はこう作る ――売れるモノを全面に押し出す

2013/03/21
ゴール・システム・コンサルティング社長 村上 悟

 本連載は、ITを活用しながら改革を成し遂げるリーダーの、具体的な論理思考スキルと組織を巻き込むための方法論をストーリー仕立てで紹介しています。

 舞台は印刷業界のトップ5の一角、東京プリンテック。パッケージ事業部の事業部長から事業の立て直しを託された改革担当部長の道野は、営業部の田川、企画部の荒川、業務システム部の池田らとプロジェクトに取り組んでいます。

 前回まで道野たち改革チームは、顧客の潜在的な不満足を解消するための議論を重ねてきました。その過程で、コンシェルジュ(お世話係)とナビゲーター(水先案内)を組み合わせた役割であることから、「ナビシェルジュ」と名付けビジネスモデル化して、個々の顧客の状況に合わせた提案を作り上げ、実行しました。

 今回は連載の最終回として「断れない提案」を創り出し、顧客に採用頂くための商談の組み立て方について見てゆきましょう。

 提案を作り上げてから数日後、営業の田川は早速、城東フーズの田中課長を訪問してナビシェルジェ提案を行い、本社に帰ってきた。

 「結局、ナビシェルジェって複数の仕組みやメリットが絡む提案ですから、うまく説明するためにはどうしたら良いかって考えたんですよ」

 田川は考えを確認するように話し始めた。

 「田中課長も頑固なタイプですから単に説得してもダメだと思って、自分で考えてもらうために『質問』で商談を組み立ててみようと思ったんです」

 「なるほど、具体的にはどうやったの」

 新しい事には池田が真っ先に飛びつく。

 「ナビシェルジェ提案で考えた3つのメリットをひっくり返して、城東フーズの全体に関わる問題を想定して聞いてみたんです。工場では安全在庫を持たざるをえず、商品企画ではライバルメーカーに提案スピードで勝てない状況の中でコスト削減だけに走ると、どうなるか考えたことありますかって」

 「お客さんに向かってずいぶん大胆な質問をしたもんだな、それで?」

 道野が半分呆れた表情で、田川を見ている。

 「田中さんはこのままバラバラに動いてゆくと、在庫は減らないし、在庫が減らずリードタイムが長いままならば、市場対応のスピードは向上せず、結果業績はジリ貧に陥るという「因果関係」すぐに気がついたみたいでした」

 「で、どんな決めゼリフを使ったんだい」

 池田が興味津々という様子だ。

今週のトピックス-PR-

今日のピックアップコンテンツ-PR-

>>もっと見る

ITpro Special

>>もっと見る

▲ ページトップ