社長の「働き方」をご覧になったことがあるだろうか。
同僚や部下、直属の上司の働き方なら毎日、目に入る。一緒に仕事をしている協力会社の社員がどう働いているかも知っている。顧客や取引先についてもすべてではないが分かる。
しかし社長の働き方となると見る機会があまりない。大企業には「社長の姿を見たのは入社式の時だけ」という社員が結構いる。社長が毎日のように現場に顔を出している中小企業であっても、社長が外回りの際に何をしているかまでは知られていない。
「社長の働き方など自分には関係ない」と言いたくなったとしたら、それはITのプロフェッショナルとしてもったいないことである。ITを使って価値を提供する仕事をしている以上、様々な職種の働き方やそこにおけるIT利用の実態を知っておく必要がある。
まして「経営に貢献する何とかクラウド」「意志決定に役立つ何とかデータ」などと標榜しているなら、顧客の代表者である社長がどう働いているかを知らずして提案はできない。
「ITpro EXPO 2012」展示会の2日目、10月11日の特別講演を聴講いただくと、「社長の働き方」をかいま見ることができる。インテルの吉田和正社長が「先進ICTによる働き方の変革 ~日本の競争力向上に向けた提案~」と題した講演で、吉田社長自身の働き方を説明する予定だからだ。
講演のテーマは「先進ICTによる働き方の変革」であり、その事例の一つとして吉田社長自身の働き方を公開するものだ。といっても自分の事例を「参考にしてほしい」と押しつけるわけではない。
吉田社長の意図を先取りして書いておくと、一人ひとりが働き方や生き方を変えていくところから変革の動きを興そう、ということだ。働き方の変革を通じて日本の在り方を変え、競争力を高めていく。「日本の競争力向上に向けた提案」と副題にある通りである。
「自分の働き方を変えたところで、日本の変化につながるはずがない」と考える向きもあろうが、自分は何も変えないが誰かが変革を主導してくれれば追随する、というのは寂しい姿勢である。
日本の話は棚上げしておくとしても、ITのプロとして「経営に貢献」し、「意志決定に役立つ」ことをしようとするなら、そのITが自分自身の働き方や生き方に有用かどうか、ときおり自問自答するべきだろう。吉田社長の事例は聴講者が自問自答するきっかけの一つである。
なにやら堅苦しいことを書いてしまったが、吉田社長は「来場者の方々が楽しめるプレゼンテーションに挑戦したい」とも語っている。ITpro EXPO 2012に来場された方は、良い意味で気楽に特別講演を聞きに来ていただきたい。
【特別講演】
『先進ICTによる働き方の変革 ~日本の競争力向上に向けた提案~』
<10月11日(木)14:20~15:00>
【講師】
インテル 代表取締役社長
吉田 和正氏
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