OpenFlowとかSDN(Software Defined Network)とか、狙いやコンセプトはなんとなく分かるが、実際にどう動いているのか、どう使えるのか、今ひとつピンと来ない――。こう感じている人は案外多いのではないだろうか。

 新しい技術が出てきたとき、大抵はこれと似た状況が見られるものだろう。こうした場合、それが実際にどんなものかを理解するには、やはりモノに触れてみるのが一番いい。

 恐らくOpenFlow/SDNも、今はそんな状況にある。それで企画したのが「触ってわかる」ことを意識した「OpenFlow/SDNランド」だ。しかしそれでもやはり、「展示を見る」ことが中心の企画では、触れていられる時間や、試せる内容にどうしても限界がある。特にエンジニアの方々なら、コマンドの一つや二つ、自分で叩いてみたいはずだ。

写真●講師を務める、あくしゅ代表取締役の山崎泰宏氏
写真●講師を務める、あくしゅ代表取締役の山崎泰宏氏

 そこで、OpenFlow/SDN in ITpro EXPOの企画の一つとして、「OpenFlow/SDNハンズオンセミナー」を企画した。1人1台のパソコンで、3時間を使って、実際に仮想ネットワークを構築し、設定を施し、仮想ネットワークを操作していただく。講師によると「それでも短いくらい」なのだが、少なくともエンジニアの方々に「SDNのための仕組みがどう実装されていて、どう動くものか」はご理解いただけるのではないかと思う。

 実際のところ、今のSDNソリューションは、ベンダーによって実装のアプローチがかなり違っている。例えば10月に正式にリリース予定としている、ストラトスフィアの「Stratosphere SDN Platform」(SSP)では、制御対象の仮想スイッチを「インターナル」と「エクスターナル」の2種類で構成する。SDNで制御するのはエクスターナルだけ、インターナルは既存のVLANをSDNに収容する役割を担う。

 これは、SDNでは先行する米ニシラ(米ヴイエムウェアにより買収)とは、SDN実現のアプローチが違う。ほかに、例えばニシラと同じく早くからSDNソリューションの開発に取り組んできたミドクラも、違うアプローチを見せる。同社が年末にもリリース予定の製品では、SDNコントローラーのエージェントを、制御対象の仮想スイッチと同じ場所に置く。コントローラーを分散させるためだ。

 ハンズオンセミナーで使うのは、Wakame Software Foundationというグループで推進しているクラウドコントローラー「Wakame-VDC」。実はこれも、仮想スイッチと同じマシン上にOpenFlowコントローラーを置くという分散処理の構成になっている。セミナーでは、この仕組み自体の解説もしていただくことにしている。

 「なんだ、特定の製品のことしか分からないじゃないか」「別の製品を使うことになったら、セミナーで得た知識は無駄にならないか」などと考える方もいるだろう。ただ、ちょっと待ってほしい。どの製品も試してみずに、きちんとした評価ができるだろうか。そこには必ず、何らかのベンチマークが必要になるはずだ。実装のアプローチは違っても、狙いはどれも同じ。OpenFlowあるいはSDNで何ができるかを、身をもって知ることは非常に大事なことだ。ぜひ、このセミナーを、今後のSDN評価のベンチマークの一つにしていただきたいと思う。

『OpenFlow/SDNハンズオンセミナー』

【日時】2012年10月10日(水)14:00~17:00

【会場】東京ビッグサイト ITpro EXPO会場内(会議棟)

【参加費用】3万6000円(税込)

【講師】Wakame Software Foundation あくしゅ 代表取締役
 山崎 泰宏 氏

【サポート協力】NTTPCコミュニケーションズ、
 さくらインターネット

【機材協力】オリックス・レンテック

■受講にあたってのご注意■
ハンズオンのための設備はすべてご用意いたしますので、準備は不要です。ただし技術的に高度な受講内容となるため、受講者は、CentOSのサーバー用設定でのインストール、VirtualBoxのインストールなどをすべて自力でできる程度の技術力をお持ちの方に限らせて頂きます。

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