ソフトウエア開発者のための祭典、「X-over Development Conference、略称:XDev(クロスデブ)」を今年も開催します。2007年の第1回開催から通算5回目となる今年の「XDev2011」では、「明日を支えるITを創ろう~クラウドとマルチデバイスで変わるソフト開発~」というテーマを掲げます。

 メインに掲げる「明日を支えるITを創ろう」というテーマは、東日本大震災によって困難に直面している日本を開発者の力によって元気にしたい、という想いを込めたものです。いま日本は、大震災からの復興に向け、一丸となって歩み始めています。ITがその重要な基盤となることは間違いありません。そして開発者の皆さんは、新しいITの世界を切り拓いていく大きな役割を担っています。

ITに何ができるか考える

 大震災は、日本のソフト開発の現場に、多くの気付きや影響を与えました。

 大地震の被害で停止を余儀なくされたり、データの消失という事態に直面したりしたシステムは少なくなく、災害や障害に強いシステムの必要性を痛感させられました。さらに、急な事態の変化にも即座に対応できる、柔軟で拡張性の高いシステムが求められていることも強く認識させられました。

 一方で、ITの持つ力の大きさも改めて浮き彫りになりました。3月の大地震の直後、電話などの通信手段がまひして情報が錯綜する中、Twitterをはじめとするソーシャルアプリケーションが、新しい情報伝達の手段として重要な役割を果たしました。また、ITを活用して復興を支援する取り組みもたくさんあります。さまざまな情報提供サイトが立ち上がり、情報の共有や活用を支援するアプリケーションも数多く提供されています。

 こうした経験を経て開発者の皆さんは、ITによって何ができるのか、そこに自分たちの技術力をどう生かしていけばよいのか、ソフトウエア開発の新しい姿を、これまで以上に強く考えるようになっているのではないでしょうか。

テクノロジーの変化が新たな一歩を後押し

 新たな一歩に向け、ITを取り巻くテクノロジーの変化が、それを後押ししてくれるはずです。その中核となるのが、「クラウド」と「マルチデバイス」という二つのキーワード。クラウドコンピューティングがユーザーにとって現実的な選択肢となり、ITリソースが企業の内外どこにあっても、シームレスに活用できる環境が整ってきています。利用者のクライアント環境も大きく変化し、PCのみならず、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどあらゆるデバイスから、いつでも、どこでもITを利用することができます。

 この二つのキーワードや関連するテクノロジーの変化を踏まえて、ソフトウエア開発をどう変えていくべきか。新たなプラットフォームやデバイスを生かした、変化に強く拡張性豊かなシステム。それを確かな品質で、より短期間で実現するための開発プロセスや開発者のスキル。XDev2011ではそれらを、さまざまな視点から考えていきます。

 XDevは、異なる専門技術、異なる立場の開発者の方々が集まり、知恵やノウハウをX-over(クロスオーバー)する場です。「ソフトウエアこそビジネスを変革するイノベーションをもたらす」というXDev立ち上げ当初からの基本理念は、今年も変わることはありません。開発者の皆さんが活力を持ち、新しいシステムを創っていくためのヒントを、XDev2011でぜひつかんでください。

開催概要
【名称】X-over Development Conference 2011
【日時】2011年9月16日(金) 10:30~16:40(10:00開場)
【会場】目黒雅叙園(東京都目黒区下目黒1-8-1)
【受講料】無料(事前登録制)
【主催】日経BPセミナー事業センター

 XDev2011の講演プログラムについては、本サイトにて順次公開し、事前登録を開始します。