ITpro EXPOでは毎回、ICTの世界で特に注目されるテーマにフォーカスを当てています。今年のITpro EXPO 2010で取り上げるのテーマは6つ。具体的には、システム構築・運用のあり方を一変させつつある「クラウド」「仮想化」「データセンター・テクノロジー」、企業の会計業務とアプリケーションに大きな影響を及ぼす「IFRS(国際会計基準)」、情報共有や業務効率化の決め手になる「ビジュアル・コミュニケーション」、営業/マーケティングの新たな姿を探る「Sales & Marketing」です。

 このうち仮想化は、ITpro EXPO 2008、ITpro EXPO 2008 Autumn、ITpro EXPO 2009と、毎回、重要テーマとして扱ってきました。そして、今回のITpro EXPO 2010では「仮想化フェスタ2010」と銘打ったテーマイベントを開催いたします。

 サーバーに始まった仮想化の波は、インフラ全体にまで及んできました。ストレージやネットワーク、さらにはデスクトップを加えた「オール仮想化」は、社内クラウド(プライベートクラウド)という利用形態に進みつつあります。仮想化フェスタ2010では、仮想化に関する情報を体系的、多角的に提供、仮想化の最前線にフォーカスいたします。詳細は「仮想化フェスタ2010」のページでご確認ください。

 さらにITpro EXPO 2010では、シスコ、EMC、ヴイエムウェアの3社が大規模な仮想化とクラウド基盤の普及促進のために設立したVCE連合の、Vblock Infrastructure Package上での最新のクラウドソリューション、事例などを紹介する「VCE Solution Day」を開催します。詳細は「VCE Solution Day」のページでご確認ください。

 なお、展示会場内に、Vblockの実力を体感できる「クラウド基盤ホットステージ」を設けます。こちらにも、ぜひ足をお運びください。

ITproで過去一年間に掲載した仮想化の人気記事を紹介します

 ITproでは、情報ニーズの高い仮想化に焦点を当てたFocusサイトを設け、数多くの仮想化関連記事を公開してきております。その中から、この一年間で好評を得た記事をご紹介します。

【VMware vSphere 4の全貌】

 サーバー仮想化ソフトのVMware vShere 4は、ハイパーバイザー「VMware ESX」と各種拡張ツール群で構成される。約3年ぶりにメジャー・アップグレードを果たし、機能と性能が強化された。耐障害性を高めるVMware FT、Storage VMotion、仮想環境のネットワークとセキュリティ、運用管理などVMware vShere 4の新機能を解説する。

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●多くの領域にちりばめられた新機能
●第2世代のハードウエア・アシストに対応
●運用管理の効率と耐障害性がアップ
●[VMware FT]2台の仮想マシンでダウンタイムをなくす
●[VMware FT]プライマリVMの処理内容をセカンダリVMで「再生」
●[VMware FT]二つの仮想マシンを一体化させるカラクリ
●[VMotion]仮想マシンをほぼ無停止で別ホストに移行
●[VMotion]仮想マシンの移動時間は体感的に「数秒」
●[VMotion]プロセッサの制約に注意
●[Storage VMotion]内部処理が改良され、実行時間が3分の1に

【改めて問う、仮想化の性能問題】

 サーバー仮想化技術の成熟が進み、もはや“未知の問題”は少なくなってきたが、まだ性能問題が残っている。仮想化に伴う性能劣化がどれくらい起こるのか、具体的な情報が少ないからである。ここでは最近の動向を踏まえ、ベンチマーク結果を織り交ぜながらサーバー仮想化に伴う性能問題を検証していきたい。

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●仮想CPUの割り当て方で変わる性能
●計算性能は「もう十分すぎるほど」
●「仮想化=ストレージ共有型」とは限らない
●高負荷DBの仮想化も現実的に

【クライアント仮想化技術の現在】

 仮想化の対象は、サーバーからクライアントへ広がりつつある。デスクトップ環境やアプリケーションの仮想化を通じて、コスト削減、利便性アップを狙う。ただし、クライアント仮想化には様々な手法があり、ベンダーによって取り組みは異なる。

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●[VMware]デスクトップを変革するVMware View
●[東芝]PC仮想化でセキュリティと管理性を向上ほか
ほか

【仮想化に適するネットワークの構築法】

 仮想環境を構築し、それを期待通りに動作させるには、ネットワーク環境の見直しは避けて通れない。特にネットワーク周りの設計について注意すべき部分は、大きく4カ所ある。(1)「ポート・帯域設計」、(2)「冗長化・耐障害設計」、(3)「ストレージ設計」、(4)「仮想スイッチ設計」---である。

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●[ポート・帯域設計]ポート数が増えることに注意
●[冗長化・耐障害設計]スイッチ2重化はNICとセットで
●[ストレージ設計]iSCSIかファイバーチャネルが現実的
●[仮想スイッチ設計]物理NICはスイッチへのアップリンク

【デスクトップ仮想化の構築法】

 デスクトップ環境(クライアントPC)を仮想化し、サーバー上で稼働させる「デスクトップ仮想化」---。今年は、多くの企業がデスクトップ仮想化の検討・調査を始め、先行ユーザーの導入効果に注視しているのではないだろうか。デスクトップ仮想化に特化した構築ポイントを「計画」「設計」「構築」「移行」に分けて解説する。

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●格段に導入しやすくなったデスクトップ仮想化
●デスクトップ仮想化の導入コストはどれくらい?
●デスクトップ仮想化ならではの設計上の留意点
●悩ましいサイジングをどうするか?
●構築/移行フェーズにも固有の留意点