写真●前回のICTパネル討論会「現実解としてのエンタープライズ・クラウド~広がるアプリと開発基盤の選択肢~」の様子
写真●昨年のICTパネル討論会「現実解としてのエンタープライズ・クラウド~広がるアプリと開発基盤の選択肢~」の様子
[画像のクリックで拡大表示]

 「IT技術者こそが、クラウドによる企業の革新をリードする」---。

 2010年8月に開催された「Tech・Ed Japan 2010」の基調講演で、マイクロソフトの大場章弘 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長はこう言い切りました(関連記事)。同社はこのイベントで、Windows Azure上で動作するアプリケーションが5000を突破したことを披露(関連記事)。クラウドを使うことは「今や企業にとって問題解決の現実解」(大場氏)だと説明したのです。

 パッケージソフト・ビジネスの最大の成功者であり、当初はクラウドに一定の距離を置いていたマイクロソフトは、今年初めに「2010年を“クラウド元年”と位置づける」(樋口泰行 代表執行役 社長)と宣言しました(関連記事)。その言葉通り、同社はISV(独立系ソフトウエアベンダー)をはじめパートナー企業との連携によって、Azureアプリの品ぞろえ強化にまい進。今後はさらに、現状の.NETアプリだけでなくWin32アプリをAzure上で利用できるようにしたり、クラウド環境とオンプレミス環境との連携(SQL AzureとSQL Serverとのデータ同期など)を強化したりして、Azure事業を加速させていくといいます。

 猛烈な攻勢をかけるマイクロソフトに対し、クラウドの先駆者であるグーグルとセールスフォース・ドットコムも黙っていません。

 象徴的なのは、仮想化大手のヴイエムウェアとの提携です。グーグルとセールスフォースはそれぞれのPaaS(Platform as a Service)上で、ヴイエムウェアのJavaアプリケーション・フレームワーク「Spring Framework」とJavaを使って開発した業務アプリケーションを稼働できるようにするべく、着々と準備を進めています(関連記事)。これによって、より多くのJavaアプリ開発者をクラウドの世界へ取り込み、既に多くの.NETアプリ開発者を抱えるマイクロソフトを迎え撃つ考えです。

 これまでマイクロソフト以上にクラウドに距離を置いていたオラクルも、いよいよクラウド事業に本腰を入れ始めました。今年1月の米Sun Microsystems買収をテコに、「Oracleはソフトウエアとハードウエアを垂直統合した、メーカー1社で保証するIT環境の提供を目指す」(日本オラクルの遠藤隆雄 代表執行役社長 兼 最高経営責任者)として、先行3社に挑みます(関連記事)。

 ITpro EXPOの恒例企画の一つである「ICTパネル討論会」では、クラウド強化を推し進めるこれら4社の事業責任者が、「企業向けクラウドソリューション最前線」と題して討論を繰り広げます。昨年も参加していただいたマイクロソフトの大場氏と、グーグルの藤井彰人 エンタープライズ プロダクト マーケティング マネージャーに加え、セールスフォースの宇陀栄次 代表取締役社長と、日本オラクルの三澤智光 常務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長 兼 クラウド&EA統括本部長が登壇します。

 ユーザー企業が抱えるビジネス上やシステム上の問題を解決するべく、各社はどのような戦略を立て、どんなソリューションを提供しようとしているのか。そして、ユーザー企業がソリューションを導入・活用して効果を上げるためには、どんなポイントに留意すべきなのか。読者の皆さんは、10月18日(月)16時に会場(東京ビッグサイト会議棟7階の国際会議室)へ足を運び、各社がこれらの疑問にどう答えるのかを、ぜひご自分の目と耳でお確かめください。

【ICTパネル討論会】
企業向けクラウドソリューション最前線~アプリと基盤の最新動向から活用ポイントまで
<10月18日(月) 16:00~17:00>

【パネリスト】
  • グーグル エンタープライズ プロダクト マーケティング マネージャー
    藤井 彰人 氏
  • セールスフォース・ドットコム 代表取締役社長(米セールスフォース・ドットコム 上席副社長)
    宇陀 栄次 氏
  • 日本オラクル 常務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長 兼 クラウド&EA統括本部長
    三澤 智光 氏
  • マイクロソフト 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長
    大場 章弘 氏
【モデレータ】
  • ITpro編集長 吉田 琢也
お申し込みはこちらから
【昨年のICTパネル討論会】
クラウドはすでに「現実解」として実ユーザーの利用が進んでいる