まずはマンガで知ってみよう… |
こっちはウソなし…
|
そ、それは「テープカット」です。「カットオーバー」ではありません。
このマンガにあるテープカット、実際にやってみると思ったよりドキドキします。鉄道や施設がオープンするときの記念式典でよく見られますね。
この日のために長い期間をかけて準備してきたものですから、プロジェクトにかかわってきた人からしたら、ついに世の中にお披露目する大事な瞬間です。その儀式として、テープを切って新しい世界に踏み出す……いいですね。素晴らしいですね。新しいことを始めるときはぜひやってみてはいかがでしょう。
カットオーバーとは、このようにテープをカットして新しい世界に踏み出していくこと……ではありません! ひとまずテープのことは忘れてください。
情報システムが、
新たに稼働することです!
カットオーバーという言葉の由来は、森林を伐採した土地で新しい仕事を始めることです。これが転じて、新しい情報システムが稼働を開始したり、古い情報システムから新しい情報システムに刷新したりすることを意味するようになりました。いざ稼働を始めるタイミングや日時、あるいは始めることそのものをカットオーバーと呼びます。ほかにも、サービスインと呼ぶこともあります。
トラブルが起きやすい瞬間でもある
カットオーバーの瞬間、すなわち新しい情報システムに切り替える瞬間は、最もトラブルが起きやすい瞬間でもあります。
どんなに考えても、予想外のことはしばしば起こるものです。設計でどれだけ操作を限定させても、想定しうるインプットデータパターンすべてを試験しても、いざカットオーバーすると、ユーザーに想像の斜め上をいく使い方をされて、思わぬ動きをすることもあります。
プログラムからバグが見つかることもあります。かつては常にバグ0件を求められましたが、大きな情報システムでは品質を少しあげるだけでも非常に多くの費用(工数)がかかるため、最近では一定の品質までしか求めず、それよりもトラブルが発生した際の対応がどれだけ迅速にできるかを求められるようになってきました。
情報システムの入れ替えは、ユーザーが使用しない深夜に行うことが多いこともあって、カットオーバー当日はいざトラブルが発生しても即座に対応できるように前日から泊り込んで対応することも。ここで大きなトラブルが発生し、原因を突き止められずに、旧システムに切り戻しにはならないように注意したいですね。
無事カットオーバーを何のトラブルもなく越えることができたときが、エンジニアが最も達成感を味わえる瞬間でしょう。長い期間をかけて作りあげたシステムを使っているユーザーの顔を想像しながら、打ち上げでもいきましょうか。乾杯~♪
本日のまとめ |
著者プロフィール
http://homepage1.nifty.com/maname/