まずはマンガで知ってみよう… |
こっちはウソなし…
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「終わったー!」
社会人になって半年,ついに初めてのプログラムが完成した。
念願のシステムエンジニアになることができた私は,右も左もわからないにも関わらず,やる気だけは誰にも負けないぞと意気揚々としていた。数カ月の研修を終え,プロジェクトに配属されると,まずは開発手順を覚えるためにペアプロでプログラムを開発することに。
先輩の教え方はとてもわかりやすく,私もどんどん吸収していたつもり。でも,先輩には全然かなわない。ガントチャートという進捗のグラフを見せてもらったら,自分たちのスケジュールが遅れていることを知ってビックリ。「すみません,私がボトルネックなばかりに…」と先輩に謝ったら,「初めてなんだから仕方ないよ」とやさしく返してくれた。
進捗が遅れていくにつれて最初の元気がなくなっていく私。そんなある日,先輩が声をかけてきた。
「今日から残業して少しずつ取り戻そうか」
つい元気よく,「はい!」と答えてしまった。その日から,毎日遅くまで大変だったけれど,スケジュールも元気も取り戻せた。今となってはデスマーチのような毎日も充実していたかのように感じてしまう。
こうして完成したはじめてのプログラム。単体試験も終わって,あとはお客さんに本番帳票で印字確認をしてもらうだけで,私の仕事はおしまい。思わず「終わったー!」と気持ちよく叫んだら,その声が聞こえた部長が声をかけてきた。
「納期までに終わるとは感心感心。じゃあ早速納品をしちゃおうか。ペンディング事項はある?」
(ペンディング事項?そんなペンで刺されるような大きな失敗やバグはなかったはず……)
「いえ,ありません。バッチリです。バッチリ!」
「おお,自信満々だな。今年の新人は期待できるかもしれんな。ガッハッハ」
翌日,コーディングまでペアプロでお世話になった先輩に挨拶にいきました。
「先輩ありがとうございます。先輩がコーディングでバグを指摘してくれたおかげで,単体試験では大きなバグが出ることもなく納品まで終わりましたよ」
「そうか,良かったな。ところで,帳票試験はお客様に伝えたか?」
「そういえばまだ……」
「えっ,でも納品まで終わったって言ったよな。ペンディング事項を伝えなかったのか?」
「えっ,ペンディング事項ってそういう意味なんですか…」
「ばっかもーん!」
先送りすることです!
ペンディング(pending)の原義は「ぶら下がる」という意味で,比喩的に「宙ぶらりん」という意味を表現するようになりました。その比喩が外来語として日本語に定着したため,“宙ぶらりん”から“未決の,保留中の”という意味で使われています。
「先輩,すみません…」
「今回はすぐに気づいたから良かったものの,もし間に合わなかったら大変なことになったぞ。今度からは,わからないことがあったらすぐに聞くんだぞ」
「はいっ!」
「全く,返事だけは良いんだから,コイツは…」
「へへへ」
先輩にペンでつつかれながら,私は最初の仕事が終わったことに達成感を感じていた。
本日のまとめ |
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