ムラタセイコちゃんとムラタセイサク君はどっちがスゴイの?と小5の末娘ほのちゃんが聞くので,自転車や一輪車に乗って倒れないのはジャイロセンサの働きだと説明する(村田製作所のムラタセイコちゃんのサイトはこちら)。

 ジャイロセンサというとヘリコプタなどに搭載されている高価なものというイメージがまだあるかもしれないが,今はカーナビやホビー用のロボット,そして1万円以下のリモコンヘリにも使われている。

 マインドストームNXTでも,HiTechnic社製のジャイロセンサを使用することができる。箱にプリントされているように,正確にはジャイロスコープ・センサというらしい。ほのがジャイロセンサに興味を持ってくれたので,速攻でアフレルに注文した。

 ジャイロセンサは傾きを検知する。ムラタセイコちゃんには二つジャイロセンサが付いており,前後左右の傾きを検知して倒れないように制御している。前後は一輪車を回すことで,左右は胸の円盤を回すことでムラタセイコちゃんはバランスを保っている。

 ジャイロセンサを入力ポート3につないだ。そして,アフレルの「ROBOLABにおけるジャイロセンサの使い方」からダウンロードできるテキスト通りにプログラムを作成してみる。

 0.5秒ごとにジャイロセンサの値を赤コンテナに入れ,液晶の画面に表示するプログラムである。

 ジャイロセンサは立ててあろうが,寝かせてあろうが動かさなければ600程度の値を返す。このことから,当然のことではあるが,地面に対して垂直に立っているとか,傾いているとかを検知しているのではないことがわかる。

 では,何を検知しているのか?

 ジャイロセンサを右に倒すと返す値が大きくなるが,すぐに600程度の値に戻る。逆に左側に倒すと値が小さくなり,また元に戻る。単位時間当たりにどれだけ動いたか,というか回転したかをジャイロセンサは検知しているのだ。ジャイロセンサは傾きを検知すると先に書いたが,傾いている状態を測るのではなく,傾きの速度を測るのだ。これを角速度というのだが,その中身に触れようとすると,「コリオリの力」がどうのこうのという話になって,文系の筆者には頭の痛くなる内容になってしまう。角速度センサは自動車のブレーキ制御システムに使われており,アイスバーンでタイヤが滑っている状態を検知して,ブレーキをコントロールしているそうだ。

 角速度を測って,タイヤを前後に回して2輪で立つロボットをほのと一緒に作ってみたい。急ごう!最近はロボットよりもお人形の洋服作りに興味のあるほのちゃんの気の変わらないうちに。