まずはマンガで知ってみよう… |
こっちはウソなし…
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「やったー!今日は久しぶりに自宅に帰れる~」
「お前,今月残業150時間?俺はついに200時間超えたぜ。」
「土日くらい,終電で帰りたい…」
ソフトウェア業界では,たまにこのような声が聞かれるプロジェクトがあります。プログラムをどうにか作ったものはいいものの,そのプログラムを実行するたびに何らかのバグが見つかり,納品できるレベルに達しない。おかげで,毎日終電は当たり前,むしろ終電に乗れれば良いほうで,毎晩会社に泊まりこみ,土日も当然のように休日出勤なんてことも……。
プロジェクトのメンバーは終わりが見えず,マネージャはプロジェクトの成功が見えません。それでも,プロジェクトを完遂するために一つずつ問題を解決していかねばならないのですが,一つの問題が解決したころには,新たな問題が二つ積み上がってしまいます。このように,プロジェクトが破綻へと向かって進んでいくさまをデスマーチと呼ぶのです。
プロジェクトのことである!
デスマーチ(death march)は,死の行進と訳されます。戦時中の苛烈な状況下で,兵隊や囚人,捕虜が,健康や命をかえりみずに行進します。その行進中は,水も食料も雨風をしのぐ場所さえ与えらません。ときには銃口を突きつけて歩かせ,脱落した者は銃殺されます。常に死と隣り合わせの状態です。
ソフトウェア業界においても同様に,プロジェクトが死に向かっていく中で,過酷な状況でメンバーが行進をしていく様をデスマーチと呼ぶようになりました。長時間の残業・徹夜・休日出勤といった極端な負荷を強いることで,体調不良やうつ病,ときには過労死に至る危険性があります。
それでも,デスマーチに適応してしまった人はその状態が当然であると考えるようになり,士気も向上します。しかし,デスマーチに適応できない人は士気が下がり,その士気の差がさらなるトラブルを発生させる原因ともなるのです。
原因は,ソフトウエア開発における見積もりの困難さ
デスマーチが発生する根本的な原因は一つで,そもそも無理な条件のプロジェクトを進めてしまうことにあります。プロジェクトというのは開発範囲・期間・予算の3つのバランスが保たれて初めて成り立つもので,いずれかのバランスが崩れたプロジェクトの成功は非常に難しいのです。
では,なぜ無理なプロジェクトを請け負ってしまうのか。その主な原因はソフトウエア開発の見積もりが難しいことにあります。しかし,2009年4月より工事進行基準が施行されたことにより,3カ月ごとに見積もりを見直して契約を行うことが義務づけられました。これによってリスクが可視化され,見積もりの精度が上がることが期待されます。無理なプロジェクトも適宜修正されて,デスマーチも減っていくのではないでしょうか。
本日のまとめ |
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