グロースエクスパートナーズ ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー 鈴木雄介氏
グロースエクスパートナーズ
ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー
鈴木雄介氏

【講演概要】SOAとクラウド・コンピューティングは補完関係にあります。クラウド・コンピューティングが企業システムに取り入れられるとしたら,どういったシステム・アーキテクチャになるでしょうか。ITアーキテクトの視点で,クラウド時代のアーキテクチャを解き明かします。

  • 9月15日(火)13:30-14:15 A会場

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    担当記者による紹介記事

     「クラウド・コンピューティングなんて一部の企業でしか使われないだろう」。ずっとそう思っていた。その理由は,SIerにとってメリットが小さいからだ。

     SIerは,基本的にシステムを構築することで対価を得る。SaaS(Software as a Service)を使うということは,情報システムは「構築」するものではなく,「利用」するものになる。既存システムとインテグレーションすることはあっても,システムを構築するという仕事はそこにはない。この考えは,SaaSの次にPaaS(Platform as a Service)が登場しても変わらなかった。PaaSはシステム基盤をサービス提供するもので,システム基盤を構築する,という仕事がなくなってしまうからだ。

    アプリ開発に専念できる!?

     しかし,最近,この考え方を変えつつある。情報システムは大きく,ハードウエアやミドルウエアなどからなる「システム基盤」と,その上で動作する「アプリケーション」に分けることができる。一般にSIerはこの両方の構築を手がけるが,システム基盤の構築とアプリケーションの開発では,求められるスキルは大きく異なる。

     二つのスキルを比較するのは容易ではないが,システム基盤の構築では,性能や可用性,拡張性などを一定レベルに維持し続けなければならず,求められるスキルは高い。もしこの部分をサービス利用し,その上のアプリケーション開発に専念できるなら――。そう考えるSIerは意外と多いかもしれない。SIerにメリットがあれば,企業システムで使われる可能性は高くなる。この考えの前提には,安心して利用できるシステム基盤サービスが欠かせない。まだまだ先のことかもしれないが,先を見越して考えておいて損はないだろう。

     では,PaaSを利用したとき,企業情報システムのアーキテクチャはどうなるのだろう? この問いに答えてほしく,著名なITアーキテクトの一人である,グロースエクスパートナーズの鈴木雄介氏のセッションを企画した。「クラウド時代のアーキテクチャ」に興味のある方はぜひ,受講してほしい。